松山 スコア1つ伸ばし通算イーブンパーで最終日へ

[ 2014年8月10日 05:30 ]

第2R18番でイーグルを決め、キャディー(左)と喜ぶ松山英樹

USPGAツアー全米プロ選手権第3日

(8月9日 米ケンタッキー州ルイビル バルハラGC=7458ヤード、パー71)
 雨が次第に強まる中の第3ラウンド、69位から出た松山英樹(22=LEXUS)は5バーディー、4ボギーの70でスコアを1つ伸ばし通算イーブンパーとした。前日不調だったショットに切れが戻り、前半のバーディー先行につなげた。53位から出た小田孔明(36=フリー)は4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で、松山と同じ通算イーブンパーで3日目を終えた。

 上位浮上を見据えた第3ラウンドで松山が好スタートを切った。出だしの1番は残り157ヤードの第2打をピン右2メートルにつけてバーディーが先行。3番でも1・5メートルを沈めてスコアを伸ばすと、圧巻は4番だ。この日はティーグラウンドが前方に変更され、約50ヤード短くなった。飛距離に定評のある松山は1Wで“ほぼ1オン”。手前のカラーまで運ぶと、アプローチを50センチに寄せてバーディーを奪った。折り返しての10番は第3打をピン奥3メートルに着弾させると、バックスピンがかかったボールは横1メートルにピタリ。バーディーパットを楽に沈めた。

 それでも、11、12番と連続ボギー、16番からも2ホール連続でボギーとし前半の“貯金”を吐き出したが、第2ラウンドでイーグルを決めた最終18番でバーディーをもぎとり、70でまとめた。

 第2ラウンドは絶体絶命のピンチから驚異の粘りを見せた。残り2ホールで4オーバー。予選通過には3つ伸ばすしかない。17番で1メートルのバーディーパットを沈めると、1Wでフェアウエーを捉えた18番パー5はピンまで210ヤードの2打目を4Iで奥3メートルにつけるスーパーショットを放った。絶対に入れなければならないパットのラインを進藤キャディーと繰り返し読んだ。「最後は英樹に任せました」と進藤氏。緩やかに左へ曲がるラインを転がり球がカップに消えた瞬間、松山は右拳を力強く振り下ろして喜びを爆発させた。イーグル締めで72。通算1オーバーの69位で予選突破を決めた。「ぎりぎりになりましたけど、いい形で締めくくれて良かった。巻き返すのは大変でしたけど諦めず最後までできて良かった」。普段はぶっきらぼうな男もこの時ばかりは表情が緩んだ。

 予選ラウンド2日間のフェアウエーキープ率は53・6%で69位、パーオン率も55・6%で62位と低迷。尻上がりに調子を上げた「ブリヂストン招待の残り2日のいい感触が出てこない」とショットに精彩を欠いた。ホールアウト後は2時間以上に及ぶ練習で薄暗い中、最後の1人となっても黙々と打ち続けた。“居残り特訓”の成果は3日目の序盤で形になった。

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