豪栄道 精神面の改革が結実!自ら重圧かけた「大関になる」

[ 2014年7月30日 08:25 ]

名古屋場所では大関・琴奨菊も撃破した

 野球賭博問題関与で謹慎処分という10年7月の“地獄の一夏”を過ごした豪栄道は「負け越したら裏切ることになる」との覚悟で復帰した。10年秋場所から4場所連続2桁と活躍し、翌年名古屋場所では小結に再昇進。その1年後には3年ぶりに関脇に戻り、大関候補に名前が挙がった。

 だが、本当の苦難はそこからだった。12年九州場所、13年春場所、13年秋場所と2桁勝利したものの、その間の場所は全て1桁。当時、ある協会幹部は「小手先相撲で大関に勝てても、力の差がある横綱には勝てない。豪栄道は大関になれない」と酷評した。そんな噂は本人の耳にも届いたはずだが、自分の信じる道だけは貫いた。「どんなケガをしていても言い訳はしない」。それは師匠の境川親方(元小結・両国)から教わった「男の美学」だった。事実、12年夏場所後に左肘遊離軟骨除去手術を行ったが、自らの口からは公表せず。同名古屋場所の7日目には左脇腹を痛めたが、報道陣には「大丈夫」と言い張った。最終的に肋骨骨折が判明して千秋楽を休場したが、無理を押して14日目まで出場して関脇にとどまった。

 迎えた14年。一皮むけるべく取り組んだことは精神面の自己改革。今年に入ってからは公の場で「大関になる」と断言し、自らに重圧をかけた。春場所12勝ながら、先場所は8勝止まり。それでも諦めずに大関を目指し、今場所2横綱2大関を破り有言実行を果たした。

 大関になって求められるのは初優勝と横綱昇進。14場所連続関脇の期間中に稀勢の里には8勝6敗、琴奨菊にも8勝4敗と大関には勝ち越しているが、白鵬には4勝10敗、日馬富士には2勝12敗、鶴竜には5勝8敗(不戦敗1)と負け越している。左四つ右上手という絶対的な型を持った元大関・魁皇の浅香山親方は「かっちりとした型がない」と今後に向けて課題を挙げた。豪栄道の本当の挑戦はこれからがヤマ場となる。

続きを表示

2014年7月30日のニュース