藍&さくらで勝った!新設国別対抗戦で8年ぶりコンビ

[ 2014年7月26日 05:30 ]

ホールアウト後インタビューに答える宮里藍(中央)と横峯さくら(右)

USLPGAツアー インターナショナル・クラウン第1日

(7月24日 米メリーランド州オウイングズミルズ ケイブズバレーGC=6628ヤード、パー71)
 8チーム32選手が参加して開幕し、1次リーグB組の日本はスウェーデンと対戦して1勝1分けで勝ち点3を挙げ、同組首位に立った。宮里藍(29=サントリー)、横峯さくら(28=エプソン)組が2アップで勝ち点2、宮里美香(24=NTTぷらら)、比嘉真美子(20=ジブラルタ生命保険)組は引き分けで勝ち点1を獲得。初代女王へ、好スタートを切った。

 日の丸のついたピンクのシャツに身を包んだ“なでしこ”から笑みがこぼれた。スタート前に君が代が流れ「もの凄く緊張した」と口をそろえた日本代表。団体戦は普段の個人戦とは異なる雰囲気で、違った精神力も問われる。見えない重圧を感じる中、06年の女子W杯以来となるタッグを結成した“85年生まれペア”が引っ張った。「キャプテン」と呼ばれる宮里は横峯と息ぴったりのプレーでB組首位発進に導き「初日が凄く難しいと思っていた。一番大きな波は越えた」と胸をなで下ろした。

 2人1組でホールごとに良い方のスコアを採用するフォアボール方式。1番で宮里が2メートル強のバーディーチャンスをつくると「藍ちゃんが付けているので安心して打てた」と横峯が4メートルのバーディーパットを先に沈め、先手を取った。「お互い、ミスをしても謝らない」という2人の約束。だが、ともに第2打をバンカーに入れてボギーとした5番で「さくらが“ごめんね”って言って、私も“ごめん”と言うと大笑いしてしまった」と宮里。これで緊張が解けた。

 ティーショットは宮里が先に打つ作戦。“2番手”となった横峯は「藍ちゃんがフェアウエーに運んでくれて、凄いかみ合わせが良かった」と相方をまぶしそうに見た。1アップで迎えた18番は第1打を右に曲げた宮里が「さくら、(あとは)お願いします」。これに横峯が見事に応えた。残り220ヤードの第2打を3Wでピン1・2メートルにつけるスーパーショットで、勝負を決めた。

 宮里は今季米ツアーでは前戦のマラソン・クラシックの12位が最高と苦戦が続いている。賞金ランキング80位以内までが獲得できる来季のシード争いも67位と低迷。自身のブログでは「ゴルフ人生の中で、シードを考えたことは一度もありませんでした。1試合たりとも、油断できない状況です。こんなにも、苦しい毎日は初めてです」と心境をつづっている。苦境を乗り越えるためにも、日の丸を背負う戦いで勝利を収めて前を向くしかない。オーストラリアと対戦する2日目へ「いろんなことがかみ合って、凄い良かったですけど、まだまだある」と気を引き締めた。

 ▽06年の第2回女子W杯 連覇を狙う日本は宮里藍、横峯さくらの“最強ペア”で臨んだ。ホールごとに良いスコアを採用するフォアボール方式で、初日は1オーバーの最下位発進。1つのボールを交互に打つフォアサム方式の2日目も74と落とし通算3オーバーの14位。最終日は2人の合計スコアで競うストロークプレーを行い、宮里が76、横峯が73と落とし、通算8オーバーで20チーム中で12位に終わった。

 ☆インターナショナル・クラウン 米ツアーが独自に新設した国・地域別対抗戦。13年11月18日付のロレックス世界ランキングに基づいて8つの出場国が決まり、選出順1位は韓国で、米国が2位。日本は3位で入った。4位以下はスペイン、スウェーデン、タイ、台湾とオーストラリア。14年3月31日付の同ランキングで各チーム代表4人が決定。日本は宮里藍、宮里美香、森田理香子、横峯さくらが候補となったが、森田が辞退して比嘉真美子が入った。

 ▼競技方法 3日間は各チームが2組に分かれて、2人1組でホールごとに良い方のスコアを採用するフォアボールで総当たりする。各組2位までと3位のうち1つを加えた計5チームの20選手が最終日のシングルスで対戦し、4日間の総得点で争う。

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