大砂嵐完敗息絶え絶え「本当に強かった」かち上げは封印

[ 2014年7月21日 05:30 ]

大砂嵐(右)を上手投げで退け、ドヤ顔の白鵬

大相撲名古屋場所8日目

(7月20日 愛知県体育館)
 1分を超える熱戦を終えて花道を引き揚げる際、大砂嵐は肩を揺らしながら「強かった…」とつぶやき、支度部屋に戻ってきても「ハァ、ハァ、ハァ」と息絶え絶え。初挑戦となった白鵬戦でがっぷり四つに組んだが、最後は上手から投げ捨てられて4勝4敗となった。

 「本当に強かった。みんな強いけど横綱は横綱。バランスがいい。横綱の筋肉は柔らかいけど、俺の筋肉は硬いから疲れやすい」。83年九州場所の大ノ国(後の横綱・大乃国)以来の1場所3金星はならず、素直に実力差を認めた。

 序盤に何度も相手の顔面に“かち上げ”をヒットさせ、前夜に師匠の大嶽親方(元十両・大竜)から「ずるい相撲を取るなと言っただろ!」などと大目玉を食らった。この日の朝、師匠は「教えに反すればクビにしてもいいということになる。それぐらい許されないこと。相撲はただのスポーツじゃないし、美学に反する」と報道陣に説明。この日、エジプト出身の22歳はその教えを守り、立ち合いから右を差して力相撲を挑んで負けた。

 「横綱の取組を勉強したい」。白鵬との一番は心技体の全ての面で大砂嵐を成長させたはずだ。

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2014年7月21日のニュース