もう負けた…稀勢 2日目で恒例の取りこぼし

[ 2014年7月15日 05:30 ]

安美錦にはたきこみで敗れガックリの稀勢の里

大相撲名古屋場所2日目

(7月14日 愛知県体育館)
 国内出身で8年半ぶりの優勝を期待されていた大関・稀勢の里に早くも土がついた。小結・安美錦にはたき込まれ、またも序盤で取りこぼした。3場所ぶりの勝ち越しを目指す遠藤は妙義龍に押し出されて初日から2連敗。30回目の優勝を狙う白鵬をはじめ、3横綱は安泰だった。
【取組結果】

 悔しさを押し殺し、稀勢の里は無表情のまま花道を引き揚げた。先代師匠(元横綱・隆の里)に自分の感情をコントロールするよう指導され、表に出さないよう心掛けている。しかし、風呂から支度部屋に戻ると負の感情が沸点に達したのか、うめき声を漏らした。報道陣に質問を投げかけられても言葉にならなかった。

 またも序盤での取りこぼしだ。多彩な攻めで上位陣を悩ます安美錦の術中にはまった。立ち合いで踏み込んだが、引かれると体勢を崩し前のめりになった。頭を押さえつけられ右半身から土俵に倒れ込んだ。場内には悲鳴と歓声が入り交じって響いた。物言いがついたが、はたいた安美錦の左手がマゲにかかっていないかの確認で、軍配通りに決着した。大関は16場所目だが、5日目までの序盤を土つかずで乗り切ったのは12年秋(8連勝)、13年夏(13連勝)の2回のみ。以前から指摘される弱点を克服できていない。

 千賀ノ浦・名古屋場所担当部長(元関脇・舛田山)から盛り上げ役に指名されていたが期待を裏切る2日目の黒星。土俵下で見届けた井筒審判長(元関脇・逆鉾)は「プレッシャーに負けちゃうのかな。緊張でしょうかね」と話した。北の湖理事長(元横綱)は「自分から攻めているのはいいが、気持ちが先に出て足が出ていない」と分析。さらに「11日目まで全勝でいかないと」と、3横綱に挑む終盤まで1敗を守るよう奮起を促した。

 3日目は初顔の大砂嵐戦。粗削りながら速さとパワーのある相手だが、初優勝と綱獲りにつなげるには連敗は許されない。

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