ジョコビッチ死闘3時間56分 3年ぶりV「最高の味」

[ 2014年7月8日 05:30 ]

優勝カップを掲げるジョコビッチ

ウィンブルドン選手権最終日 男子シングルス決勝

(7月6日 英ロンドン・オールイングランド・クラブ)
 男子シングルス決勝は第1シードのノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)が3年ぶり2度目の優勝を飾った。過去7度の優勝を誇る第4シードのロジャー・フェデラー(32=スイス)を6―7、6―4、7―6、5―7、6―4で下して4大大会7勝目、ツアー通算45勝目。大会後のランキングでラファエル・ナダル(28=スペイン)を抜いて、昨年10月以来の世界ランキング1位返り咲きを決めた。

 第1シードのプライドとテニスの聖地への強い思いが、3年ぶりの優勝に結実した。4大大会の決勝は昨年のウィンブルドンから3連敗中だったジョコビッチが3時間56分の死闘を制した。勝利が決まると、芝を口に含んだ王者は「最高の味がした」と感慨に浸った。

 前に出て重圧をかけてくるフェデラーに対し、正確なパッシングショットで先に2セットを奪った。しかし、第4セットはマッチポイントを握りながら反撃され「立ち直ることが難しかった」と苦しんだ。両足首を痛めて治療を受ける場面もあったが、最終セットは粘りでサービスゲームを守った。第10ゲームで相手を根負けさせ「今まで経験した4大大会の決勝で最も高い質の試合だった」と充実感を漂わせた。

 今季は強烈なサーブで一時代を築いたベッカー氏(ドイツ)の指導でプレーに安定感が増した。スタンドで見守った往年の名選手と抱き合って喜んだ。5月に洪水被害に遭った母国のために臨んだ一戦でもあった。セルビアの英雄は高々とトロフィーを掲げ「相手だけでなく自分にも勝った。精神的な強さが勝利に結びついた」と強調した。

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2014年7月8日のニュース