稀勢“悪癖対策”万全 意図的に不利な体勢から16勝2敗

[ 2014年7月6日 05:30 ]

相手十分の体勢からじっくりと攻める稀勢の里(左)右は松鳳山

 大相撲名古屋場所(13日初日、愛知県体育館)で初優勝を目指す大関・稀勢の里(28=田子ノ浦部屋)は名古屋市内の仏地院で行われた松ケ根、高田川部屋などの合同稽古に参加し、取りこぼし対策を行った。高安、松鳳山を相手に18番の申し合いで16勝2敗。番数以上に内容が違った。

 「状態は悪くない。きょうは試しながらいろいろやった。相手十分になっても攻めて行けた。本場所ではどうなるか分からないから」と稀勢の里。高安にはまわしを許し、松鳳山にはわざと中に入らせた。自ら苦しい体勢になりながらも、重たい腰を利用してじわじわと圧力をかけ、土俵際まで追い込んで寄り切るなど完全に“横綱相撲”を取り切っていた。

 これまでは格下相手の序盤戦で焦って前に出て取りこぼす悪い癖があった。この日は立ち合いで意図的に不利な体勢に持ち込まれ、そこからじっくり相手を攻めることを意識。対戦した松鳳山も「どっしり構えて自信を持って取っていた」と大関の相撲の違いを感じていた。

 仏地院は先代の故鳴戸親方(元横綱・隆の里)を生んだ旧二子山部屋の宿舎だった場所。稀勢の里は「来るたびに師匠を思い出す。いい思い出」と笑った。原点とも言える場所から横綱へ飛躍を狙う。

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2014年7月6日のニュース