松山 4差6位発進!難所5番バーディーで「波に乗った」

[ 2014年6月14日 05:30 ]

18番、第二打をフェアウェー左の砂地から放つ松山英樹

USPGAツアー全米オープン第1日

(6月12日 米ノースカロライナ州パインハースト パインハースト・リゾート=7562ヤード、パー70)
 男子ゴルフの今季メジャー第2戦が開幕し、松山英樹(22=LEXUS)が1アンダーで首位と4打差の6位と好発進した。メジャーの初日では自己最高順位。一時は2オーバーに後退しながら5番のバーディーから巻き返した。日の丸選手にゆかりがある歴史あるパインハーストで、日本人初のメジャー制覇を目指す。マルティン・カイマー(29=ドイツ)が5アンダーで2位に3打差をつけて飛び出した。

 トップ10とて、もはや驚くことではない。前回出場した2週前のメモリアル・トーナメントで米初勝利を挙げ、米ツアー公式サイトの今大会優勝予想で8番手。今の自分に6位発進は可でも不可でもないとばかりに松山は喜びを見せなかった。

 「難しいところでバーディーを取れたのは良かった。それで波に乗ったというのはないけれど、まあ良かったと思う」

 ポイントは2オーバーで迎えた後半5番。グリーンおよびその周辺がうねっているため、松山が「一番難しい」としていた難ホールだ。初日はティーグラウンドが表示より50ヤードほど前に出た。第2打は残り217ヤード、3Iでのショットはピン方向へ。ボールがカップに近づくにつれ、ギャラリーのざわめきが大きくなった。カップをかすめて2オン。2パットのバーディーを奪うと、6番で3メートルを沈めてイーブンパーに戻した。8番でも3メートルを決めて69の6位だ。

 予選ラウンドから大会の盛り上がりに触れた。リッキー・ファウラー、ジョーダン・スピースという若手実力派と同組。大勢のギャラリーの視線を集めた。ファウラーがパープレーでスピースが1アンダー。注目の若手が互いに刺激し、そろって好スコアを出した。

 終盤に右肩を気にするそぶりを見せた。6番でバーディーを奪った後、右肩を押さえ、その後も時折、回したり触る動作をした。ラウンド後、報道陣に状態を聞かれると「寝れば治るぐらいのもの。普通に振れますし。変だなと思うぐらい」と説明。痛みは否定した。関係者によれば、競技終了後にアイシングを施し、2日目以降に一抹の不安が残ったが、期待の方が上回る。

 「ここのグリーンは難しい。あすも我慢の連続になると思います」

 コース名の「パイン」が示すように、高い松の木がホールを覆う。歴史あるこの名門は、日本人にもゆかりがあるコースだ。1924年、赤星六郎が日本人初となる海外の試合に優勝。31年には宮本留吉が、親善試合で球聖・ボビー・ジョーンズを破り、賭け金の5ドルを得た逸話が残る。日本人初のメジャー制覇へ。快挙を達成するならば、このコースがふさわしい。

 ▽全米オープン 4大メジャーの中で最も難易度が高く、深いラフと狭いフェアウエーが特徴。今年はラフを荒れ地に改造したが、優勝スコアをイーブンパーに想定してコースがつくられている。06、07年大会の優勝スコアはともに5オーバーだった。パインハーストでは過去2回開催され、99年大会はペイン・スチュアートが通算1アンダー、05年大会はマイケル・キャンベル(ニュージーランド)が通算イーブンパーで制した。

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