「東洋の魔女」金メダルの舞台閉館 式典にレジェンド

[ 2014年5月25日 05:30 ]

1964年の東京五輪で金メダルを獲得した際の優勝記念プレートを手渡す寺山恵美子さん(右)

 東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園総合運動場にある屋内球技場と第1球技場の閉館記念イベントが25日、両球技場で行われた。今月31日で閉館。解体・改築工事後の2017年夏に新装オープン予定。2020年東京五輪の競技場ではないが、日本も含めた各国選手団の練習会場になる可能性もある。“お・も・て・な・し”の発信地として“お・い・ろ・な・お・し”に入る。

 屋内球技場は64年東京五輪で、バレーボール女子日本代表「東洋の魔女」が金メダルを獲得した場所。閉館式典にはそのうち7人の“レジェンド”が登場した。当時のエースアタッカーだった寺山(旧姓・宮本)恵美子さん(77)は、解体について「涙が出てくる。すごく寂しい」と話す一方、「式典に来られて幸せ」と満足そうな表情も見せた。20年東京五輪を目指す世代に対しては「バレーオンリーで頑張って。遊ばないこと」とエールを送った。

 イベントに訪れた伊藤英夫さん(79)は「東洋の魔女の決勝はテレビで見ていた。思い出の地が消えていくのは残念」と話した。

 屋内球技場は64年3月の完成からほとんど改修は行っておらず、冷暖房がなく、雨漏りなども起きている状態。64年東京五輪でホッケーの会場だった第1球技場も改修は行っていない。東京都のオリンピック・パラリンピック準備局の東正洋氏によると、新装する屋内球技場は競技フロアを拡大し、照明にLEDを完備。また屋上緑化やアーチ状つり天井で、デザインと機能性が融合した建物になる予定だ。20年東京五輪の競技会場とはならなかったが「各国選手団の練習会場の候補地にはなる」と話した。“お・も・て・な・し”の発信地として両球技場が期待される。

 イベントにはロンドン五輪アーチェリー団体銅メダリストの川中香緒里(22)も参加。模範演技で観衆を沸かせた。自身の20年東京五輪に向けては「(16年)リオ五輪が終わってから考えたい」とした。

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2014年5月25日のニュース