魁傑さん弟子 弔い白星ならず…若乃島 十両昇進誓う

[ 2014年5月20日 05:30 ]

取組後にタオルで顔をぬぐう若乃島

大相撲夏場所9日目

(5月19日 東京・両国国技館)
 虚血性心疾患で急死した西森氏に元弟子の3人は白星をささげることはできなかった。

 西幕下筆頭で勝ち越しを懸けた29歳の若乃島は東幕下2枚目の大栄翔(追手風部屋)と対戦。立ち合いからなんとか中に入ろうとしたものの、相手の圧力に左足が土俵を割っていた。若乃島は西森氏の弟子で現在は芝田山部屋に所属。勝ち越せば新十両に大きく前進するはずが、「(上に行くことを)決めたかった」と目を真っ赤にして悔しさをにじませた。

 鹿児島県出身の若乃島は西森氏に誘われ15歳の00年3月に角界入り。西森氏が定年退職となる13年1月には自らも引退することを伝えたが、師匠の西森氏が「諦めずにしっかりやれ」と怒ったという。「凄く怒られたが、それだけ自分のことを思ってくれていた」とその言葉に現役続行を決意。芝田山部屋に移籍した。西森氏とは昨年4月の定年パーティーで会ったきり。「最後まで諦めるな」という言葉が一番の思い出。「曲がったことが大嫌いな師匠だった。今場所勝ち越して悔いのないようにやりたい」と亡き師匠のためにも新十両を手にするつもりだ。

 モンゴル出身の十両・魁も十両・隆の山の掛け投げに敗れ、供養の白星をささげられず。「こんな形で亡くなるとは夢にも思わなかった。今の自分があるのは師匠のおかげ」と声を震わせた。西三段目34枚目の龍勢旺も西三段目38枚目の謙豊(時津風部屋)に押し出しに敗れ負け越した。「きょうは絶対に勝ちたかった。残り2番勝って終わりたい」と号泣しながら巻き返しを誓っていた。

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2014年5月20日のニュース