真央 来季の休養を表明…「じっくり考える年にしたい」

[ 2014年5月20日 05:30 ]

競技生活からの休養を発表する浅田真央

 フィギュアスケート女子の浅田真央(23=中京大)が19日、都内で会見し、14~15年シーズンの来季は休養することを表明した。現役続行か引退か、進退に注目が集まっていたが、現時点では結論に至らず、15~16年シーズンの復帰については「ハーフハーフ」とした。ジャンプなど練習は継続し、今年10月のジャパン・オープンに出場する可能性もあるが、心身ともに休息の時間を取り、1年間かけて答えを出すつもりだ。

 鮮やかな緑のワンピースに身を包み、浅田が柔らかく笑っていた。世界選手権V3で、「集大成」と位置づけた今季を締めくくってから2カ月足らず。現時点での答えは「来季休養」だった。「今までいろいろ考えてきたんですけど、自分の体も気持ちも少しお休みするという形で決めました。全ての試合をお休みする形にしたい」。GPシリーズ、全日本選手権、世界選手権といった公式戦には出場しない。

 現役続行か引退か、進退については結論に至らなかった。「本当に先のことは分からない。時の流れに身を任せればいいのかな。来季についてはお休みするという形ですが、その先のシーズンについては、まだハーフハーフなんじゃないかなと思います」。競技に復帰すれば18年平(ピョン)昌(チャン)五輪出場の期待がかかるが、「次の五輪で滑っているイメージはあるか?」と問われると、「ないです」と言い切った。

 5歳で競技を始めてから、生活の中心は常にスケートだった。初の長期休養には不安よりも未知の楽しみがある。「試合をしない日々が続くのは凄く新鮮な気持ち。いろいろやるべきことはあるので、毎日精いっぱいやりたい」。休学していた中京大に今春から復学し、キャンパスライフも再スタート。「大学に通うのがメーンの生活になる」と笑った。

 ただ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を含めた練習は続ける予定で、完全に体を緩めることはない。「今のレベルはキープしないと。技術は継続しないと落ちる」。来季の公式戦には出場しないが、1度だけ競技者に近い姿に戻る可能性もある。フリーのみの国別対抗で争われ、公式戦ではない10月のジャパン・オープンだ。関係者も「ジャパン・オープンについては分からない」と明かした。

 ここから1年、自己と向き合って結論を導き出す。「たくさんのプレッシャーもあったし、凄い神経を集中して、体も心も負担になってきているのは感じていた。休みも必要かなって感じた。じっくり考える年にしたい」。重圧も期待も、今は気にしなくていい。たおやかな双肩にのしかかっていた重荷を下ろし、内なる声に耳を澄ませる。

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2014年5月20日のニュース