スポーツの賭けで不正80% W杯でも監視強化へ 14兆円資金洗浄

[ 2014年5月15日 18:33 ]

 スポーツ界の八百長行為や違法賭博防止をテーマにした国際フォーラムが15日、パリで開かれ、主催の国際スポーツ安全センター(ICSS)から世界中のスポーツを対象にした賭けの80%に試合結果を操作するなどの不正取引があるとの調査結果が発表された。

 犯罪組織から最も狙われるのはサッカーとクリケットとされ、6月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会でも監視が強化される。

 ICSSとパリ大が2年間で70人の専門家と協力して調べたところでは、年間約1400億ドル(14兆円)が賭けを通して資金洗浄されていることが報告された。背景には不正なインターネット賭博サイトがあり、違法な賭けの市場は53%がアジアで、犯罪組織が関わる実態も浮かび上がった。

 国際サッカー連盟(FIFA)元安全部長でICSS幹部のイートン氏は「前回のW杯南アフリカ大会では予選で不正な賭けの疑いがあった。八百長防止へ選手や審判員の動きだけでなく、犯罪と絡んだ不自然な賭けの動きを監視する必要がある」と話した。

 FIFAは国際刑事警察機構(ICPO)と協力し、W杯では全会場に監視員を置いて八百長防止に全力を挙げる。スポーツの八百長行為の90%が賭けと関連するとのデータも示された。会議に出席した国際オリンピック委員会(IOC)のオズワルド委員は「五輪も危機感を持つ必要がある。スポーツの健全性を守らなくてはいけない」と述べた。(共同)

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2014年5月15日のニュース