「覚えてなくて…」平野 崖っぷちから無我夢中の逆襲劇

[ 2014年5月5日 05:30 ]

<日本・香港>ガッツポーズを見せる3人目の平野

JA全農世界卓球団体戦第5日・女子準決勝

(5月4日 国立代々木競技場ほか)
 29歳のベテランが大舞台で初めての感覚に陥った。第3試合、平野は第1、2ゲームを落として後のない第3ゲームも4―9と大ピンチだったが、点差に気づいていなかった。

 「えっ、そんなに離れてましたか!?覚えてなくて…。今までにこんなことないかも」。無我夢中の逆襲劇はここからだ。6―9と追い上げると相手がタイムアウト。「コース取りが見えてきた」。粘りに粘って9―10のマッチポイントもしのぎ、このゲームを奪うと第4、5ゲームも連取して大逆転。本人も「ほとんど負け試合。こんなことってあるんだな」と驚いた展開で4番手の石川にバトンをつないだ。

 12年のロンドン五輪でもチーム最年長。団体準決勝の前夜には福原、石川の部屋を訪れてチームワークの大切さを説くなど、日本をまとめて表彰台に導いた。今大会も精神的支柱になるだけでなく、プレーでもチームメートを鼓舞している。きょう5日の決勝は、ロンドン五輪で敗れた中国と激突。「誰もが経験できる舞台じゃない。応援を力に変えて、諦めずに一本一本大事にしたい」。打倒・中国を目指して、不屈の闘将がファイナルの舞台に立つ。

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