みなみ 藍超え最年少V!15歳293日 目標は東京五輪金

[ 2014年4月21日 05:30 ]

<KKT杯バンテリンレディスオープン最終日>優勝カップが重いと笑顔の勝みなみ

女子ゴルフツアー KKT杯バンテリン・レディース最終日

(4月20日 熊本県菊池郡 熊本空港カントリークラブ=6455ヤード、パー72)
 天才少女が藍ちゃん超えだ!アマチュアの勝みなみ(鹿児島高1年)がツアー史上最年少の15歳293日で優勝した。1打差の2位から出て5バーディー、1ボギーの68で通算11アンダーの205。08年馬場ゆかりの9アンダー、207の大会最少スコアを2打更新し、イ・ボミ(25=韓国)を1打差で振り切った。アマチュアの優勝は4人目。金孝周(18=韓国)の最年少優勝、宮里藍(28=サントリー)の日本人最年少優勝を大幅に更新し、ニューヒロインが誕生した。
【最終R成績】

 最終18番のパーパットを沈めると、左手でガッツポーズをした。最終組を残して2位に2打差をつけてホールアウト。イ・ボミが最終ホールでイーグルを奪えなかった瞬間に、高校に入学したばかりの勝の史上最年少優勝が決まった。

 「実感はないです。それより、きょう4アンダーで回りたかったので、それができてうれしい」と無邪気に笑った。最も緊張したという表彰式でスピーチを求められると、言葉に詰まりながらも「支えてくれた鹿児島のみなさんや両親、おじいちゃんに感謝したい」と笑顔でお礼を述べた。

 18番パー5では第3打をグリーン左のバンカーに入れた。15歳のアマチュアなら体が動かなくてもおかしくない状況だが、勝は違った。「バンカーに入れたけど前半もうまく出していたので」。プレッシャーなどどこ吹く風。2度、3度と素振りをすると、難しいバンカーショットを2メートルに寄せた。易しくはない距離のパーパットも「スライスラインは入る自信があった」とすんなり沈めた。

 1Wの平均飛距離は250ヤード。同組の飛ばし屋O・サタヤを度々アウトドライブした。パットは常に強め。ピンだけを目指しフルスイングする思い切りの良さにサタヤはあおられ78と自滅した。13番までに5バーディー。14番でボギーを叩いても崩れない。終わってみれば、11アンダーで大会最少スコアも更新した。

 7歳で祖父・市来龍作さん(74)の教えでゴルフを始めてから、コーチには付いていない。「どう打てば真っすぐ飛ぶか。ビデオでフォームをチェックしながら体で覚えた」と独学でスイングをつくってきた。週末は龍作さんとラウンド練習。それと並行して週1回はスポーツ教室で器械体操などに励む。バック転もこなし「優勝したら18番グリーンでしようかと思ってました」。ジュニア時代からプロコーチに付きゴルフひと筋の選手が増える中、勝は異色の“自然児”。型にはまらない感性が緊張を遠ざけ、プロをしのぐパフォーマンスにつなげた。

 優勝により、アマチュアながらツアー参戦の道が開けた。「高校を出たらプロテストを受けるつもりだった。優勝するとは考えもしなかったので(プロ転向は)まだ分からない」と戸惑うのも致し方ない。それでも「オリンピックに出て金メダルを獲りたい」と五輪での活躍を次の目標に掲げた。天才少女のドリームロードは20年東京五輪へとつながっていく。

 【勝者のクラブ】▼1W=スリクソンZ725リミテッドモデル(ロフト角9・5度、シャフトの長さ45インチ)▼3、5、7W=同Z725(15度、18度、21度)▼4I~PW=同Z725▼ウエッジ=クリーブランド588RTXクロムウエッジ(52度、58度)▼パター=オデッセイ・プロトタイプ・フォージドixミルド4HT▼ボール=スリクソンZ―STAR XV

 【主要プロツアーの最年少優勝】

 ☆国内男子 アマ時代の石川遼が東京・杉並学院高1年時に出場した07年のマンシングウェアKSBカップで優勝。15歳245日での達成は当時の世界最年少記録だった。

 ☆米男子 当時19歳4日だったハリー・クーパー(英国)が23年のガルベストン・オープンを制覇。クーパーは92年に世界ゴルフ殿堂入りを果たした。

 ☆米女子 アマ時代のリディア・コ(ニュージーランド)が12年にカナダ女子オープンを15歳124日で制した。コは14歳280日でオーストラリアツアーのサムスン女子NSWオープンを制覇し、石川が保持していたプロツアーの世界最年少優勝記録を塗り替えた。

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