優作 逆転で“年またぎ”連勝、2勝目の難関突破「実感ない」

[ 2014年4月21日 05:30 ]

<東建ホームメイトカップ最終日>優勝を決め、長女・莱杏ちゃんを抱き上げる宮里優作(左から妻・紗千恵さん、長男・優吾くん)

男子ゴルフツアー 東建ホームメイト・カップ最終日

(4月20日 三重県桑名市 東建多度カントリークラブ・名古屋=7109ヤード、パー71)
 「やっと勝った」優作が「もう勝った」――。1打差の2位で出た宮里優作(33=フリー)は、5連続を含む8バーディー、2ボギーの65と猛チャージを見せ、通算14アンダーで逆転優勝した。昨年の最終戦・日本シリーズで初優勝してから133日後のツアー2勝目。“年またぎ”の国内連勝となった。岩田寛(33=フリー)が2打差の2位、プロデビュー戦の大堀裕次郎(22=フリー)は通算4アンダーの19位だった。
【最終R成績】

 涙の初優勝から133日、今度は晴れやかな顔で優勝カップを掲げた。1勝目より難しいと言われる2勝目。難関をアッサリ突破した優作は不思議そうに言った。

 「自分のゴルフをやっただけなのでこんなにアッサリ勝って良かったのかなというのが正直な気持ち。実感はないんですよね」。1打差から出た最終日。1番で9メートルのバーディーパットを入れるとスイッチが入った。得意のアイアンがさえ、2番から5番まですべて3メートル以内にパーオン。5連続バーディーで単独首位に躍り出るともう独壇場だった。さすがに終盤は「手が震えた」とスコアを伸ばせなかったが、2位に2打差をつけホールアウト。スコアカード提出場で兄・聖志らから優勝の祝福を受けた。

 03年のプロ転向後、初優勝するまでは、15回も最終日最終組で回りながら勝機を逃し続けた。勝てなかった時は毎年オフにスイングを変えたり、新しいことに取り組んだが、昨オフはスイングの精度を高めることに集中。昨年までホテルに泊まっていたのを、今週、名古屋市内の自宅からコースへ通うように変えたのも「優勝してちょっと余裕ができた」から。1歳の長男・優吾くんの夜泣きにもイライラすることなく、応援に来た家族の前で強いパパを見せた。

 松山、石川が不在の今季は、賞金王レースの本命候補といえる。「僕は大穴」と謙遜しつつ「2勝、3勝と積み重ねて強いゴルファーになりたい」。殻を破った男がまずは一歩、抜け出した。

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2014年4月21日のニュース