貴乃花親方 執行部入り、総合企画部長など6役兼務で“帝王学”

[ 2014年4月4日 05:30 ]

総合企画部長として5月の夏場所で販売される貴乃花チケットに付いている直筆のサイン色紙とオリジナルの手ぬぐいを肩にアピールする貴乃花親方

 大相撲の貴乃花親方(元横綱、スポニチ本紙評論家)が“帝王学”を学ぶ!!日本相撲協会は3日、東京・両国国技館で理事会、年寄総会を開き、公益財団法人移行後初の理事、親方衆の職務を決定した。41歳の最年少理事の貴乃花親方は、ファンサービスや競技普及などを担当する総合企画部長など最多6つの役職を兼務し、協会No・3として初の執行部入り。北の湖理事長(元横綱)は、貴乃花親方を自身のそばに置いて、将来の理事長候補として育てていく方針だ。

 トップの期待が込められた“サプライズ人事”。就任会見に臨んだ貴乃花親方は真っすぐ前を見据え、重責を担う決意を口にした。

 「本部付け(執行部)は初めてのこと。礼儀作法を含めて理事長の下で学んでいけたらと思っています」。現役時代に空前の相撲ブームを巻き起こし、引退後は改革派の旗手と呼ばれた“平成の大横綱”が、41歳の若さでついに協会の中枢に招き入れられた。職務任命者の北の湖理事長から与えられた役職は、総合企画部長の他に競技を広める指導普及部長、協会員の素行に目を光らせる生活指導部長、八百長がないかを監視する監察委員長など、その数は9人の理事の中で最多の6つ。協会内の序列は事業部長の八角親方(元横綱・北勝海)に次ぐ3番目となり、理事長の下で協会運営を担う執行部のメンバーにも抜てきされた。

 その狙いについて、北の湖理事長は「東京でもお客さんのために協力してもらうことを考えた。いろいろな面であらゆる仕事を覚えてもらって将来のために頑張ってほしい」と説明。続けて「相撲道に精進しているし、みんなが(貴乃花親方を協会員の)かがみだと思っているから将来を担ってほしい」と話した。

 貴乃花親方は現役時代に真摯(しんし)な土俵態度で22回の優勝をマーク。03年に引退し10年には相撲協会の改革を訴え、貴乃花グループを結成して相撲協会の理事選挙に立候補し当選した。その後相撲教習所長、審判部長を歴任。12年2月から春場所(大阪)担当部長となると、寡黙な力士時代のイメージを一変させ、毎日本場所の正面玄関に立って観客を出迎えたり、和装デーなどの新機軸を打ち出して顧客を開拓。さらには地元のテレビ番組や吉本新喜劇に出演して春場所のPRに取り組み、初年度は6回だった「大入り」をその後2年連続で10回まで増やす実績を残してきた。

 今回の人事には、そうした抜群の手腕を発揮した貴乃花親方を将来の理事長候補として、自ら帝王学を授けたいという北の湖理事長の思いが表れていた。「大阪では新しいお客さまとも出会えました。両国国技館でも、お子さまからご年配の方まで大相撲が広く認知されていくことを目指し、それにまつわる仕事をしていきたい」と貴乃花親方。国技・大相撲をしっかりと次世代にバトンタッチしていくために、現役時代と同様に実直に職責を果たしていく。

 ◆貴乃花親方の役職◆
・総合企画部長=ファンサービス、競技の普及
・指導普及部長=学校などへの指導の協力
・生活指導部長=力士、協会員の私生活指導
・監察委員長=土俵での八百長などの監視
・危機管理部長=不祥事の再発防止
・博物館運営委員=相撲博物館の運営

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