9月に“片山晋呉杯”異例の冠大会、高額賞金に海外挑戦支援も

[ 2014年4月2日 05:30 ]

開催発表で握手を交わす片山(左)とネスレ日本の高岡社長

 男子ゴルフツアーで永久シードを持つ片山晋呉(41=フリー)が1日、都内で会見し、ツアー外競技の「片山晋呉インビテーショナル・ネスレ日本マッチプレー選手権」(9月12~14日、静岡・葛城GC)の開催を発表した。昨年の成績を基準に選ばれた32人が争う。国内メジャーと同額の優勝賞金4000万円に加え、優勝者が海外挑戦に意欲を示せば副賞1000万円が与えられる。既存のトーナメントとは一線を画した大会になりそうだ。

 通算27勝の永久シード保持者が新たな挑戦を行う。会見に出席した片山は「僕はまだ現役だが、自分の名前のついたトーナメントができるんだ、って夢ですよね」と感無量の面持ちで話した。今大会は日本ゴルフツアー機構(JGTO)のツアー外競技として開催。片山の「ゴルフの魅力が一番出る」という思いからマッチプレー方式を採用し、池田勇太ら昨年の賞金ランキング上位から主催者が推薦した32人のトッププロが出場予定だ。

 注目すべきは優勝賞金で、日本オープンなど国内メジャーと同額の4000万円。世界的な活躍を目指すゴルファーを支援するというコンセプトのもと、優勝者が海外挑戦の意思を示せば、副賞でグローバルチャレンジサポート(海外挑戦資金)の1000万円が加算され、総額5000万円となる。さらに来年3月の欧州ツアー「ハッサン2世トロフィー」(モロッコ)出場権も与えられる。国内ツアー優勝賞金は規定で賞金総額の20%と決まっているが、今大会は副賞1000万円を除く賞金総額6880万円の58%に相当する4000万円が優勝賞金となる。片山は「日本ツアーに入ると制約があるので、あえて入らなかった。ギャラリーがプレミア感を得られるような大会に育てたい」と訴えた。90年に44試合あった国内ツアーも今季は過去最少の23試合。ツアーが苦境にある中で活性化の起爆剤とする狙いもある。

 日本ツアーをけん引してきた片山らしく「既存のトーナメントとは全く違う試合になる」と笑った。詳細は明かさなかったが、インターネットによる生中継を導入する見込みだ。ラウンド中の選手にマイクを装着し、プレー中の声を聞かせる案も出されているという。

 09年のマスターズで日本人最高の4位という実績を持つ片山。「若い選手も、きっかけをつかんで羽ばたいてほしい」と自身の冠トーナメントを通じ、海外での経験を若い世代にも伝えていく。

 ☆男子ゴルフ大会 JGTOが統括するツアー競技は、試合ごとに獲得賞金を加算し賞金ランク順を決定。上位が来季のシード権を獲得する。今季のツアー競技は23試合。ツアー競技以外では下部のチャレンジトーナメントがある。今回の大会は賞金ランクに加算しないツアー外競技として扱われる。

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