渡辺彩香自己新６６「魚ばっかり」肉断ち首位発進

８番、満開の桜を背に２打目を放つ渡辺彩香

女子ゴルフツアーアクサ・レディース《第１日

　初優勝へ最高の滑り出しだ。渡辺彩香（２０＝ユピテル）が７バーディー、１ボギーの６アンダーの６６で自己ベストスコアをマークし、首位に立った。前週優勝の森田理香子（２４＝リコー）は４バーディー、ノーボギーの安定したラウンドで２打差の３位。１１年にプロ転向した森美穂（２１＝フリー）が１イーグル、２バーディー、１ボギーの６９でプロ転向後初めて６０台をマークし、６位につけた。

　ロングヒッターの本領を発揮した。１Ｗの平均飛距離２７０ヤードを誇る渡辺はパー５の４ホール全てでバーディーを奪取。「今週（のコース）はうまくいけば全部狙えるので、パー５の４つは、と最初から考えていた。それがうまくいった」と笑顔がはじけた。

　前半はグリーンを外す場面が多かったが、オフに重点的に磨いたアプローチで、パーを拾い続けた。最終１８番は２オンを狙った残り２３０ヤードの第２打がグリーン左横バンカーに入ったが、アプローチを１・５メートルにきっちり寄せて、この日７つ目のバーディー。「パー５を狙えるのも、近くまで行けば何とかなるかなと思えるようになったから」と自慢の飛距離と小技の上達がかみ合った。

　１メートル７２と恵まれた体。大好物は焼き肉で、以前は週に３回食べることもあったという。しかし、昨年に「焼き肉を食べた次の日はコンディションが良くない」と気付き、今季は“肉断ち”を決意。開幕後は一度も焼き肉を食べておらず、今週も開幕前日の夕食は魚の黒酢あんかけ。「最近は魚ばっかり食べている」という。肉を食べないことで体重が減り、武器である飛距離のダウンも心配されるが、「ちょっと恥ずかしいけど、ご飯はいつも大盛りなので体重は落ちていないです」とはにかみながら話した。

　プロ３年目の今年は開幕戦のダイキン・オーキッド・レディースで２位。その後は４６位、予選落ちだが、調子は悪くない。悲願の初優勝を視界に捉え、「今週、頑張ったら焼き肉を食べたい」と２０歳らしい本音をチラリとのぞかせた。焼き肉“解禁”、そして、大好きな牛タンを食べるためにも、残り２日間を全力で駆け抜ける。

　◆渡辺　彩香（わたなべ・あやか）１９９３年（平５）９月１９日、静岡県熱海市生まれの２０歳。小３から本格的にゴルフを始める。中学時代の０８年日本ジュニアに優勝し、埼玉栄へ進学。３年時の団体戦全国優勝に貢献した。１２年７月にプロテストに合格。昨年は富士通レディースで２位に入るなどし賞金ランキング４６位で初シードを獲得。憧れのプロは福嶋晃子。１メートル７２、６５キロ。得意クラブは１Ｗ。