鶴竜 白鵬撃破!勝って初V&綱昇進 突攻W王手

[ 2014年3月23日 05:30 ]

白鵬(右)に強烈な張り手を浴びせる鶴竜

大相撲春場所14日目

(3月22日 ボディメーカーコロシアム)
 大関・鶴竜が横綱・白鵬との1敗同士の対決を制して単独トップに立ち、初優勝と横綱昇進に大きく前進した。23日の大関・琴奨菊戦に勝てば初優勝。鶴竜が敗れ、白鵬が結びで横綱・日馬富士に勝てば両者の間で優勝決定戦になる。日馬富士は琴奨菊に敗れて優勝戦線から脱落。平幕・遠藤は負け越した。

 大一番を制したのは鶴竜だった。強烈なもろ手突きから白鵬を攻めて攻めて攻めまくった。上体をのけぞらせ、後退させて左上手を取り「ここで出るしかない」と最強横綱を寄り切り。初優勝と綱獲りに王手をかけた。

 「突き放していこう、と。止まらなかったのが良かった。持てる力を全て出すことができた」

 まわしを取っても安定感はある。しかし、決戦で猛攻の糸口に選んだのは、まわしではなく、もろ手突きと突っ張り。“鉄人”譲りの必殺技だ。

 入門時に師匠・井筒親方(元関脇・逆鉾)の弟、寺尾(元関脇・現錣山親方)が兄弟子でいた。突っ張りで一時代を築いた錣山親方は、そのコツを鶴竜に伝授。鶴竜は柱に向かって手を突く「テッポウ」を反復し、今では同親方が「突っ張りは、いいものがある」と絶賛するまでになった。

 おぼろげだった第71代横綱の座も、この白星で輪郭がくっきりと見えてきた。千秋楽で琴奨菊との大関対決に勝てば14勝で優勝。敗れても、少なくとも白鵬との優勝決定戦に持ち込める。昇進問題を預かる審判部の鏡山審判部長(元関脇・多賀竜)は「決定戦になっても優勝して要請しなければ失礼」と優勝すれば、昇進を諮る臨時理事会の招集を北の湖理事長(元横綱)に要請する方針。だが、横審の内山斉委員長(読売新聞グループ本社顧問)は「千秋楽で勝てば、候補になる」と期待した一方で「決定戦を経ると、昇進は無理では、と思う」と指摘した。たとえ審判部が理事会を招集しても、横審が推薦しなければ昇進は見送りとなるだけに、確実にするためにも鶴竜は本割で勝って決めたいところだ。

 昇進後の横綱土俵入りの型も、すでに決定的。井筒部屋が属する時津風一門の関係者は「間違いなく雲龍型になる」と話す。現在の白鵬、日馬富士はともに不知火型を選択している。朝青龍以来となる雲龍型の復活なるか。鶴竜が「最後までいつも通りにやりたい」という千秋楽に、答えがある。

 ▼北の湖理事長(元横綱)単独トップに立って優勝に近づいた。まだ一番残っているが流れは鶴竜になった。あとは緊張だけ。(綱獲りは)まだ審判部の話を聞いていないのでなんとも言えないが、目安は優勝だから。審判部がどう見ているかだね。
 ▼朝日山審判長(元大関・大受)鶴竜は立ち合いが良かった。自分で引きずり降ろしたからね。きょうの一番は大きい。(横綱昇進は)あした(審判部で)話し合うからなんとも言えないが有力にはなった。いろいろな人の話を聞かないといけないが有力になったのは確か。

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2014年3月23日のニュース