阿部友里香8位入賞 震災で実家全焼…「力出し切った」

[ 2014年3月11日 05:30 ]

倒れ込みながらゴールする阿部

ソチパラリンピック第4日

 10日のノルディックスキー距離女子15キロクラシカル立位で18歳の阿部友里香(岩手・盛岡南高)は8位に入賞した。同男子20キロクラシカル立位では前回のバンクーバー大会で金メダル2個の新田佳浩(日立ソリューションズ)が4位に入賞。アルペンスキー女子スーパー大回転座位に出場した17歳の村岡桃佳(埼玉・正智深谷高)は、旗門不通過で失格となった。

 ゴール後は雪面に倒れ込んだ。東日本大震災で実家を失った阿部が8位入賞。「(3月11日は)特別な日だけど、レースだけに集中した。力は出し切った」と競技に打ち込んだ3年間の成果を示し、充実感が漂った。

 中学卒業の目前、岩手県山田町の自宅は津波後の火災で全焼した。周囲の勧めもあり、親元を離れて強豪スキー部のある盛岡南高校に進学。出生時の事故で左腕に障害を抱える阿部は下宿でスキー漬けの日々を送り、競技を始めて3年で日本代表の座に駆け上がった。

 右腕でストックを突き、懸命に前を追う姿に観客席の家族も声援を送った。父・達也さん(51)は「町民のみんなも喜んでくれるはず」と称えた。兄・友和さん(20)は「苦労が分かっているので感動しました」と話し、妹・友希菜さん(13)は「凄い姉だと思います」と誇らしげだった。

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2014年3月11日のニュース