狩野が快挙!2個目金メダル 森井が銀

[ 2014年3月10日 05:30 ]

男子スーパー大回転座位 金メダルを獲得した狩野亮

パラリンピックアルペンスキー男子スーパー大回転座位

(3月9日)
 ソチ冬季パラリンピック第3日は9日に行われ、アルペンスキー男子スーパー大回転座位で滑降金メダルの狩野亮(マルハン)が2連覇し2冠を達成した。森井大輝(富士通セミコンダクター)が2位に入り、滑降銅メダルの鈴木猛史(駿河台大職)は途中棄権。アルペンスキー、スーパー大回転男子立位の日本勢は小池岳太(セントラルスポーツ)の9位が最高だった。ノルディックスキー距離男子15キロ座位では、バイアスロン7・5キロ銅メダルの久保恒造(日立ソリューションズ)が14位だった。

 王者の風格が漂っていた。スーパー大回転男子座位の狩野は2位の森井に2秒09差をつけ「こんなタイム差がつくとは思わなかった。リラックスして楽しく滑れた」と穏やかな表情を浮かべた。滑降とともに高速系と呼ばれる2種目を制し、歴史に名を刻んだ。ジャンプを伴う急斜面を勝利につなげた。他の選手が転倒を避けるため迂回(うかい)するコース取りの中、コーチの指示通りに正面から入り、15メートルほど飛んだ。五輪に比べて注目度の低いパラリンピックの将来を案じている。「20年東京大会が決まって最初の大会。ここで盛り上げることができれば、僕らの環境も変わる」と語った。障害者スポーツを背負う狩野にとって大きな意義のある2連覇となった。

 ≪森井悔しい銀≫森井は6番滑走で1分21秒60のトップに立ったが、直後の狩野にリードを許して銀メダル。「正直悔しい。でも、きのうは(後輩2人が)メダルを獲ってうれしくて泣いたし今晩も号泣すると思います」。8日の滑降で転倒して全身強打。首から背中にかけて激痛が残った。痛み止めを飲んで出場して満身創痍(そうい)で3大会連続の銀メダルだ。残りは3種目。日本選手団主将の森井は「トリノは大日方さん、バンクーバーは新田君が主将として金を獲った。僕も獲らないと」と力説した。

 ≪阿部「良かった」12位≫42歳で日本選手団最年長の阿部はスーパー大回転男子立位で12位だったが、満足感を漂わせた。「無事に滑り切れて良かった。一度競技を離れていて、あらためてこの舞台に立てたのはうれしい」。パラリンピック出場のため3年前に仕事を辞め、今は競技に専念。妻と2人の子を持つ父は家族に支えてもらい、2大会ぶり5度目の舞台に立った。得意とするのは技術系の大回転。阿部は「この滑りを大回転につなげたい」と誓った。

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2014年3月10日のニュース