神鋼 残り2分で逆転4強!史上初の天覧試合燃えた!

[ 2014年2月24日 05:30 ]

<ヤマハ発動機・神戸製鋼>後半37分、神戸製鋼はモールを押しこみ同点トライを決める

ラグビー日本選手権2回戦 神戸製鋼28―26ヤマハ発動機

(2月23日 秩父宮)
 日本ラグビー協会主催では史上初となる天覧試合で、神戸製鋼が残り2分でヤマハ発動機に逆転する劇的な勝利を収めた。後半37分、ゴール前で得たペナルティーからのモールを最後はロック伊藤鐘史(33)が押さえ同点。続くゴールをSO正面健司(30)が決めて28―26で競り勝った。

 ゴール前5メートルで得たペナルティーで、神戸製鋼が選んだ攻めはシンプルだった。モールで押すのみ――。後半37分、5点のビハインド。あれこれ考える時間も余裕もない。サッと形をつくると一度は止まりかけたが、ライン手前でもう1プッシュ。最後はロックの伊藤がポスト際にボールを押さえた。同点だ。続くGKはSO正面の仕事。ポンと蹴り込み、残り2分で試合をひっくり返した。

 「ラッキーですね。少しは“持って”いました」

 殊勲の伊藤は、大一番で活躍した選手が口にできる“名フレーズ”で照れ笑いを浮かべた。天覧試合でヒーローになったのだから、喜びは大きかった。

 天皇、皇后両陛下が貴賓席に姿を見せられたのは、後半開始直前。場内アナウンスがあると、観衆から自然と拍手が湧き起こった。既にグラウンドに出ていた両チームの選手は足を止め、視線をスタンドの一番高いところに向けた。

 苑田ヘッドコーチは、ラグビー界の歴史的な一日に向けて選手を鼓舞していた。2日前。メンバーにユニホームを手渡す際にこう伝えたという。「天覧試合のような機会はめったにない。ボールを動かして、格闘技のようにぶつかる、ラグビーの楽しさを見てもらおう」。伊藤も同じ思いを抱いていた。「これぞラグビーという試合をしたかった。実際、面白い試合になって良かった」。先制しながら9―10で前半を折り返した。後半12分に逆転したものの、6分後にひっくり返されるシーソーゲーム。白熱した死闘を日本選手権7連覇を誇る名門が制した。トップリーグ第2ステージで競り負けた相手に雪辱し、準決勝に駒を進めた。次は10連敗中でリーグ戦王者のパナソニックと対戦する。「諦めない気持ちを出せた」と伊藤。再び一丸になる。

続きを表示

この記事のフォト

2014年2月24日のニュース