真央「不屈の精神」 逆境の被災地児童へ勇気のメッセージ

[ 2014年2月22日 05:43 ]

昨年6月、東日本大震災の復興支援活動としてチャリティー教室を開き笑顔を見せる浅田真央

 ソチ五輪フィギュア女子フリーで自己ベストを更新した演技で、日本中に感動を巻き起こした浅田真央(23)。昨年、スケート教室を通じて交流した東日本大震災被災地の子供たちからも21日、「勇気をもらった」と声が上がった。また、中継したNHK総合の平均視聴率は、深夜帯にもかかわらず15・1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。

 宮城県石巻市立釜小学校の土井正弘校長(58)は「私も演技を見て鳥肌が立ちました。メダル以上の、人間の生き方のようなメッセージが伝わりました」と語った。

 釜小は、震災で児童25人が津波にのまれ犠牲になった。昨年6月、浅田と姉の舞さん(25)が仙台市内で開いたスケート教室に被災地の小学生が招かれ、釜小からも5、6年生28人が参加。世界で活躍するトップ選手との触れ合いに子供たちは目を輝かせたという。

 昨年12月、浅田の五輪出場が決定し、子供たちは感謝の気持ちを込めて「すてきな滑りを見せてください」「金メダルを取れるように頑張って」と、思い思いのメッセージを寄せた日の丸を郵送した。年が明けた1月、浅田は自身のブログに寄せ書きの日の丸を手にした写真を掲載。「子供たちは学校のパソコンで見て、受け取っていただけたことを喜んでいました」(土井校長)と交流が続いた。

 そんな浅田が見せた魂の演技。土井校長は「家を無くした子、家族が亡くなった子、まだまだ逆境の中で生活している子供たちはたくさんいます。前日のショートプログラムで一度挫折しながら、翌日100%の力を出した真央ちゃんの不屈の精神は、大きな意味を持って子供たちに伝わるでしょう」とかみしめた。

 同じスケート教室に48人が参加した福島県いわき市立豊間小学校。村岡秀人教頭(56)によると、子供たちからは「6位まで順位を上げて、諦めなければ願いがかなうことを教えてもらいました(5年女子)」「また勇気をもらった感じがしました(5年女子)」「真央さんのように人の心に響くような人になれるように頑張りたい(6年女子)」などの声が上がったという。

 村岡教頭は「目標に向かって頑張っている姿は子供たちにとって一番勉強になること。きっと子供たちはそれを感じとってくれるでしょう」と、メダル以上のものを被災地や子供たちに運んだ浅田を称賛した。

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2014年2月22日のニュース