ウィリアムソン師円 元騎手の父が長距離戦法アドバイス

[ 2014年2月8日 05:30 ]

軽快に滑るウィリアムソン師円

ソチ五輪 スピードスケート 男子5000メートル

 チーム最年少が斬り込み隊長として日本に勢いをつける。8日開幕のスピードスケートで、オーストラリア人とのハーフのウィリアムソン師円(18=山形中央高)が男子5000メートルに出場。92年アルベールビル五輪の白幡圭史、糸川敏彦以来、日本男子22年ぶり4人目の高校生スケーターは7日に約30分調整し「レースが迫ってきている実感が湧いてきた。夢にも出てきたけどガチガチに緊張しているわけではない。粘って粘って、最後にまくる走りをしたい」と本番を見据えた。

 今季から本格的に長距離に転向し、才能が開花した。山形中央高は12年夏に韓国から金明碩コーチを招き、練習量はそれまでの2、3倍になった。猛練習に耐えた結果、持久力がアップ。レースの度に驚異的なラストスパートを見せた。結果、目指していた18年平昌五輪よりも一足早い世界デビューにつながった。

 18歳のホープはオーストラリア人の父ポールさんと日本人の母・啓子さんの間に生まれたハーフ。元騎手の父は現在、北海道浦河町で競走馬育成に携わっており、ウィリアムソンは「スパートのタイミングなどレース展開のアドバイスはもらう」という。父の母国オーストラリアから代表入りの打診もあったが、生まれ育った日本で勝負して夢切符をつかんだ。4日には金コーチや両親らがソチ入りし、6日は観客席から練習を見守った。父からは「ビリケツでもいいから思い切って行ってこい」と激励された。

 選手村の同部屋は山形中央高の大先輩である加藤条治(29=日本電産サンキョー)。「500メートルに良い流れが来るように頑張ってもらいたい」とエールをもらった。「結果や順位ではつなげないけど、気迫ある滑りでいい形で500メートルにつながれば」とウィリアムソン。若さあふれる滑りで、低迷続きの男子長距離界に希望の灯をともす。

 ◆ウィリアムソン師円(しえん)1995年(平7)4月28日、北海道浦河町出身の18歳。小学1年からスケートを始め、浦河二中では3年時に全国中学500メートルで3位。11年に、山形中央高に進学。昨年10月の全日本距離別選手権で3000、5000メートルで優勝した。1メートル76、67キロ。家族は両親と兄、姉、妹。

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2014年2月8日のニュース