愛子7位で決勝進出 5度目の五輪で今度こそメダルを

[ 2014年2月7日 05:30 ]

競技を終え笑顔の上村

ソチ五輪 フリースタイルスキー 女子モーグル予選1回目

(2月6日 ロザフータル公園)
 フリースタイルスキー女子モーグル予選1回目が6日に行われ、5大会連続出場で初のメダル獲得を狙う上村愛子(34=北野建設)は7位で8日の決勝進出を決めた。右膝じん帯損傷からの復活を目指した伊藤みき(26=北野建設)は直前の練習でゴール後に倒れ込み、救急車で会場を後にして棄権。星野純子(24=リステル)は15位、村田愛里咲(23=行学学園教)は22位で8日の予選2回目に回ることが決まった。
【競技結果】

 迷いが晴れ、ようやく本来の滑りができた。ゴールラインを駆け抜けた上村は自然と両手を突き上げた。「今できる一番いい滑りをしようと思った。予選の中でやりたいことはできた」とソチで初めての愛子スマイルだ。

 前日まで手を焼き続けた難コース。ライン取りすら決まらず、自分でも「こんなターンで大丈夫なのかな」と思う滑りしかできなかった。この日も朝から気持ちが定まらない。刻一刻と時間は過ぎていく。だが、開始時間が近づいてきたことでむしろ腹は決まった。

 「何を変えても時間的にもう変わらない。今一番いい滑りをしよう」

 五輪で再び飛ぶために今シーズンずっと練習を続けてきた大技「コークスクリュー」もこの日は封印を解かず、リスクを回避した。第1エアのヘリコプターはラインに対して真っすぐに着地し、スムーズにターンに移行。中間斜面も攻めすぎず、守りすぎず。「抑えようとすると飛ばされるので、いいポジションに乗ってとにかく下りていくことを考えた」と絶妙な力配分で滑りきった。

 スタート地点に上がる前には控室で伊藤みきから「頑張ってください」と声をかけられた。「みきの気持ちに何かをしてあげることはできないけど、やっぱりいい滑りをするしかない」。後輩の無念までかみしめて、この日の日本勢ではただ一人の決勝進出を決めた。

 予選1回目で通過できたことは悲願のメダル獲得に大きな意味がある。予選落ちしていれば、8日は予選2回目の1本と決勝3本の最大4本を滑る必要があった。しかし、これで決勝3本の滑りに集中できる。「ちゃんと1本目で通過できたことは自分にとってプラス」と上村はうなずいた。

 失意のバンクーバーから1年間の休養を経てたどり着いた5度目の五輪。「バンクーバーからソチの4年間をやってよかったと思えるようにしたい」と強い決意で迎えた。「もう少しアタックして、ジャンプも大きく。もう1ランク、2ランク上げて滑りたい」。さらにスピードを上げ、コブを駆け下り、あと3本で上村の答えが出る。

 ▽フリースタイルスキー・モーグルのソチ五輪大会方式 6日の予選1回目に全30人が出場し、まずは上位10人が決勝に進出。残りの20人が8日の予選2回目に回り、上位10人が同日の決勝に駒を進める。20人が滑る決勝1回目で12人に、2回目で6人に絞り込み、3回目でメダルを争う。

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