シーホークス鉄壁初V!69ヤードTDスミスMVP

[ 2014年2月4日 05:30 ]

第2Q、パスをインターセプトしたシーホークスのスミスが、69ヤードを走りタッチダウン

第48回スーパーボウル シーホークス43―8ブロンコス

(2月2日 ニュージャージー州イーストラザフォード=メットライフ・スタジアム)
 8年ぶり2度目の出場のシーホークスが、強力守備陣の活躍でブロンコスのパス・オフェンスを粉砕し、43―8の大差で初優勝を飾った。インターセプトから69ヤードを走ってTDを挙げたLBマルコム・スミス(24)がMVP。1メートル80と小柄なQBラッセル・ウィルソン(25)は2季目でNFLの頂点に立った。ブロンコスのQBペイトン・マニング(37)は2度のインターセプトを喫し、自身2度目の王座獲得はならなかった。

 マニングという“巨木”を、平均失点リーグ1位のシーホークス守備陣がなぎ倒した。

 開始12秒、相手のスナップミスからセーフティーで大会史上最速得点を手にすると、第1Q終了間際にDBチャンセラーがマニングのパスをインターセプト。第2QにはDEエイブリルのラッシュで37歳の司令塔をぐらつかせ、浮いたボールをつかんだスミスが69ヤードを走ってTD。前半で22―0と圧倒した。さらに後半開始早々にハービンがキックオフリターンTDを奪って勝負を決定づけ、第3Qにファンブル・リカバーも記録したスミスが守備陣を代表する形でMVPに選出された。

 「ドラフトでは遅い指名だったし、自分がMVPになるなんて考えたこともなかった。でもここまで必死に努力してきた。それは仲間も一緒だ」。11年ドラフトの最終7巡目(全体242番目)に指名されたスミスの後には12人しかいない。南カリフォルニア大入学時の指揮官が現在のキャロル監督であり、かつての恩師の温情で拾われたような選手だった。

 2つのTDパスをマークし2季目で頂点に立ったQBウィルソンは、北カロライナ州立大在籍時の10年に大リーグのドラフトで指名され、ロッキーズ傘下の1Aで2年間、二塁手としてプレー。通算打率は・229とパッとせず、野球を諦めウィスコンシン大に転校しフットボールに復帰した。ドラフト3巡目(全体75番目)で指名されたが、1メートル80とNFLでは小さな司令塔とあって評価は低く、平均年俸75万ドル(約7700万円)はマニングの23分の1。それでも、デビュー2季目のQBとしては史上最多の計24勝を挙げ、25歳にして頂点に立ってしまった。「全員が強い意志を持っていた。それが最後にいい結果をもたらした」。小柄ながらミスが少なくラン攻撃も得意。リーグ看板QBの世代交代を思わせる一戦だった。

 ≪過去12人≫7巡目までとなった94年以降のドラフト指名選手で、スーパーボウルMVPとなった選手は過去12人いるが最も遅い指名はT・デービス(ブロンコスRB)の6巡目、全体196番目だった。

 ≪最速の先制点≫開始12秒での先制点は07年ベアーズの14秒を更新する最速記録。ブ軍マニングのパス成功数(34)とD・トーマスのレシーブ数(13)はともに史上最多でスーパーボウル5敗目も過去最多。

 ◆マルコム・スミス 1989年7月5日、カリフォルニア州出身の24歳。南カリフォルニア大入学時にはレギュラーになれず、今季開幕時も控え。1メートル83、103キロ。食道の機能障害で食べ物をうまくのみ込むことができず一時は体重減で苦しんだ。兄スティーブ(28)は08年スーパーボウルを制覇したジャイアンツの元WR。

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