町田“規格外”舞い!ソチ到着後いきなり公式練習

[ 2014年2月4日 05:30 ]

本番会場で華麗な演技を見せる町田

 いきなり滑って跳んだ。フィギュアスケート男子の町田樹(たつき、23=関大)が3日、ソチに到着。そのまま試合会場のアイスバーグに移動し、公式練習に参加した。空港で荷物を待つ際に入念にウオーミングアップを行い、到着から3時間後には本番リンクに登場。4回転ジャンプは跳ばなかったが、トリプルアクセルは成功するなど団体で起用が濃厚な9日の男子フリーへ、準備は着々だ。

 哲学書を好む異色のスケーターは、行動パターンも異色だった。午後2時30分にソチに到着した町田は荷物を待つ間、股関節をほぐしたり手を伸ばしたり、入念にウオーミングアップだ。4時30分には本番会場に姿を見せ、5時30分から公式練習に参加。トリプルアクセルを決めるなど、軽快に汗を流した。「ソチの地に愛されるように演技をささげたい」と言う舞台へ、第一歩を刻んだ。

 強行軍でトレーニングに参加した理由がある。「僕が滑ることができる唯一の練習。メーンリンクではもう滑れない」。実際は試合まで同じ会場で練習は組まれているが、一刻も早くリンクに体をなじませたかった。12年12月、同会場でのGPファイナルは最下位の6位に沈没。「(当時と)氷が全く違いますね。凄くいい。1年もあれば洗練されるんじゃないですか。僕と一緒?確かに確かに」と手応え十分だ。

 追い風も吹いてきた。7日の開会式は「火の鳥」が式典中に使用されることが濃厚。同曲は町田のフリーで使用される。06年トリノ五輪開会式ではパバロッティが「トゥーランドット」を歌い、同曲をフリーで使った荒川静香が金メダルに輝いた。「僕は開会式に出られませんけど、フィギュアの会場で僕の“火の鳥”をお届けしましょう」と町田は不敵に笑った。

 メダルの期待が懸かる新種目の団体は6日に始まり、町田の起用が濃厚な男子フリーは9日。個人戦のSPは13日に行われる。体力的な不安が指摘されるが「団体も個人も同じ価値のメダル。メダリストになれる可能性が2回ある。100の力で両方のメダルを獲りにいきたい」と気合を入れる。外国メディアに目標を問われて「オフコース、メダル」ときっぱり。町田の「火の鳥」は2度、表彰台に舞い降りる。

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2014年2月4日のニュース