大貴「沙羅ちゃんは凄い」けど…新伝説へ「メダルを首に」

[ 2014年1月29日 05:30 ]

花束と応援メッセージを持つ(左から)清水礼留飛、伊東大貴、渡瀬雄太

 ソチ五輪のスキージャンプ代表に選出された雪印メグミルク所属の3選手が28日、都内の同社東京本社で行われた壮行会に出席した。98年長野五輪金メダリストの斉藤浩哉監督(43)が長野超えの指令を出すと、エース格として期待される3大会連続出場の伊東大貴(28)は堂々とメダル獲得宣言。新たな伝説を生むことを約束した。

 丁々発止はまず、金メダリストの一言から始まった。「五輪の前になると長野五輪の映像が流れるけど、これが最後。この3人が新たな伝説をソチでつくってくれる」。98年、伝説の白馬の団体戦で2番手を務めた斉藤監督は、ニヤリと選手に笑いかけた。「もう16年も前のこと。自分が飛んだ映像が流れるのは、もういいわ」。それこそが最高のエールだった。

 72年札幌五輪の表彰台独占から26年かけて、日の丸飛行隊は歴史を塗り替えた。だが、02年ソルトレークシティー以降は五輪のメダルはゼロ。何としてもの思いが、そこに込められていた。この日は壮行会に出席しなかった原田雅彦コーチも「その通り。新しい歴史をつくる時期でしょ」と斉藤監督に同意した。

 これに選手が発奮しないはずはない。3度目の五輪に臨む伊東は「次に本社を訪れるときはIDカードではなく、メダルを首に掛けてセキュリティーを通過したい」と堂々と表彰台宣言。さらに「ジャンプ界で考えると(高梨)沙羅ちゃん沙羅ちゃんになっている。確かに沙羅ちゃんは凄いし、応援しているけど、男子も調子がいいので、自信を持って臨みたい」と17歳のスーパーヒロインに対抗心を燃やした。

 もちろん、2人の初出場組も気合は十分だ。「この年でチャンスをもらったんだから、思い切ってチャレンジしたい」と31歳の渡瀬。20歳の清水は「とびきりの笑顔を披露したい」と初々しく話した。新たな伝説は生まれるか。雪印乳業時代を含め延べ25人のジャンパーを五輪に送り出してきた名門に、日の丸飛行隊復権の期待と責任がかかっている。

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2014年1月29日のニュース