評議員に就任→年寄を一度退任 相撲協会、公益法人認定

[ 2014年1月29日 05:30 ]

 財団法人日本相撲協会は28日、内閣府から公益財団法人への移行の認定を受け、北の湖理事長(元横綱)が認定書を受け取った。30日に新法人の登記申請を行い、新たなスタートを切る。北の湖理事長は「申請は予定より1年以上ずれ込んだが、満足のいく移行ができた。新法人は、神事、伝統文化である相撲の継承を第一に考え、さらなる発展を目指す」とコメントした。

 相撲協会は08年の公益法人制度改革の施行を受け、税制面で優遇を受けられる公益財団法人移行を目指し、当初12年6月の申請を目標に作業を進めていた。だが、10年に力士らの野球賭博が発覚し、11年には八百長問題と不祥事が続発。さらに年寄名跡の取得問題の整理などに時間がかかり、昨年9月にようやく申請を済ませた。

 内閣府の担当者は「さまざまな不祥事が起こってきたことを承知の上で審査した。それに対処する仕組みと決意があるかなどがポイントだった」と説明。同法人移行後は、不祥事への迅速な対応策として、通報窓口の設置や相撲部屋を運営する親方らへの通報義務を課した。また、年寄名跡は協会で一括管理し、襲名の推薦に関する金銭の授受を禁止。他に理事の選任や解任など強い権限を持つ評議員に親方出身者が就任する場合は、一度年寄を退任することなども定款に盛り込んだ。

 ▽公益法人 公益法人制度改革により、従来の財団・社団法人が公益財団・社団法人と一般財団・社団法人に移行。13年11月までの5年間が移行のための暫定期間とされた。公益財団・社団法人は一般財団・社団法人に比べ、法人税の優遇、公益目的事業への非課税、みなし寄付金制度など税制面でのメリットがあり、社会的信用も得やすい。ただし、一般財団・社団法人は登記だけで法人格を得られるが、認定委員会の厳しい審査をパスする必要があり、行政庁による監督というデメリットもある。

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2014年1月29日のニュース