遼 米初Vあと一歩…痛恨ボギーで脱落も手応え2差7位

[ 2014年1月28日 05:30 ]

優勝したストーリングズと握手する石川

USPGAツアー ファーマーズ・インシュランス・オープン最終日

(1月26日 米カリフォルニア州ラホヤ トーリーパインズGC南コース=7698ヤード、パー72)
 6位で出た石川遼(22=CASIO)は4バーディー、2ボギーの70、通算7アンダーの281で首位と2打差の7位と健闘した。一時は首位に並んだが、13番パー5で痛恨のボギーを叩き優勝争いから脱落した。69で回った松山英樹(21=LEXUS)は通算5アンダーで16位。スコット・ストーリングズ(28=米国)が68で回り、通算9アンダーでツアー通算3勝目を挙げた。

 スタンドからの拍手で迎えられた18番グリーン。2メートルのバーディーパットを沈めた石川はギャラリーの声援に手を上げると、優勝を決めた同組のストーリングズに歩み寄り、少し悔しそうな表情で握手を交わした。首位に2打差の7位と初優勝を予感させるには十分なプレー。「優勝した選手もそこまで(自分と)差がない。いつか(優勝は)来てくれるかな」。そう話し石川はリーダーボードの頂点を見つめた。

 首位と3打差で出た最終日。1、3番でバーディーを奪い早々と首位に並んだ。だが、冷静にプレーを続けたつもりが、見えない重圧で1Wが微妙にぶれた。フェアウエーキープ率は4日間最低の28・57%。それでも、大会1位を記録したパッティング(平均1・604)でカバーし、粘り強くプレーを続けた。痛恨は13番パー5だった。第1打をラフに入れると、ウッドで2オンを狙ったが、バンカーにつかまりボギー。ここで優勝争いから脱落し、あと一歩、及ばなかった。

 今月3日。東日本大震災で被災した宮城県石巻市に3度目の訪問。テレビ番組の企画がきっかけで、11年7月に石巻市の小学校を訪れた。当時6年生だった生徒たちと触れ合った。自身のできることは何か。「子供たちが20歳になるまで通う」。年に一度の再会を心に決めた。今年は石巻市で初詣にも出掛け、絵馬に「アメリカツアーで優勝できますように」と書き込んだという。「一番の夢は子供たちに優勝の報告をしに行くこと」。惜しくも、願いはかなわなかったが、約束を果たす日は確実に近づいてきている。

 今季2度目のベスト10。それも、前回とは一味違う内容に自信が漂う。2位に入った昨年10月のシュライナーズホスピタル・オープンは首位とは6打差。2打差まで詰めた今大会は、一緒にラウンドした優勝者のプレーも肌で感じることができた。「良いプレーができたら、優勝できるというのを近くで見られた。常にこういう戦いをやっていれば――」。確かな手応えとともに石川は次なる舞台へと向かった。

 【石川の米トップ10】

 ☆ブリヂストン招待4位(11年8月~) 米ツアー初の最終日最終組でプレー。首位のアダム・スコットと1打差でスタートし、その差を維持したまま前半を折り返す。しかし、14、15番でパットを決めきれず引き離された。

 ☆プエルトリコ・オープン2位(12年3月) 最終日は3打差の5位でスタート。68で通算14アンダーの首位タイでホールアウト。しかし後続のジョージ・マクニールが通算16アンダーまで伸ばし、2打差をつけられて米ツアー自己最高の2位。

 ☆シュライナーズホスピタル・オープン2位(13年10月) 5位から出た最終ラウンドで、8バーディー、2ボギーの65。パーオンを逃したのは2回のみとショットがさえた。首位と6打差ながら2位は自己最高に並ぶ成績。

続きを表示

2014年1月28日のニュース