沙羅大差負け2位…連勝また「4」でストップ

[ 2014年1月26日 05:30 ]

W杯ジャンプ女子個人第10戦に優勝し喜ぶイラシュコ(右)の横で、表情を曇らせる高梨。右は3位のボグト

ノルディックスキーW杯 ジャンプ女子個人第10戦

(1月25日 スロベニア・プラニツァ=HS104メートル、K点95メートル)
 ソチ五輪で金メダルを狙う高梨沙羅(17=クラレ)は2位に終わり、5連勝を逃した。1本目は97メートルの2位、2本目も98メートルで合計249・3点にとどまり、W杯の連勝は4で止まった。サラ・ヘンドリクソン(19=米国)に並ぶジャンプ女子シーズン最多の9勝目もお預け。2本目に最長不倒102・5メートルを飛び、合計261・5点を記録したダニエラ・イラシュコ(30=オーストリア)が優勝した。

 高梨が“5”のジンクスに阻まれた。開幕戦からの連勝が5戦目で止まった後、日本での4連戦を全勝して迎えた今大会。自己新のW杯5連勝が懸かった試合で再び進撃が止まり「飛び出しが良くなかったので後半の伸びが甘かった」と小さな声で振り返った。

 試合が進むごとに不利な追い風が強さを増し、高梨ら上位選手が飛ぶ際にはスタート位置が上げられた。1回目は鋭い飛び出しから素早く滑空姿勢に入ったが、追い風に叩かれるようにしてヒルサイズの7メートル手前に落ちた。試技でも高梨を上回る好調ぶりを見せていたイラシュコが100メートルでトップ。今季圧倒的な強さを見せてきた高梨は飛距離、飛型点でも劣った。

 プラニツァのノーマルヒルは新しいジャンプ台で、蔵王やソチのように助走路は緩やかなカーブが続く。「課題を修正しようと思った」という2回目も思うようなジャンプはできなかった。高梨は追い風の中で98メートルを飛んだものの、イラシュコは102・5メートルまで伸ばしていった。2本合計で距離に換算して6メートル強に当たる12・2点もの大差をつけられた。

 今大会はソチ五輪まで続く遠征の初戦だった。22日には米国の五輪代表が発表され、右膝のケガで長期離脱中のライバル、サラ・ヘンドリクソンが選出された。女子のシーズン最多勝は、そのヘンドリクソンが11~12年シーズンにマークした9勝。現在8勝の高梨は最多勝記録の目前で足踏みとなった。

 勝ち続けているイメージがあり、実際にたくさん勝っている高梨だが、連勝は不思議と4が最高だ。昨季終盤も2月に4連勝したが、ヘンドリクソンの復帰でその後は連敗。昨夏のグランプリシリーズは序盤のつまずきにより、4連勝したところでシーズンが終わった。そして、今季は第5戦に続いて再び5連勝のチャンスを逃した。ソチ入り前のW杯は26日を含めて残り3戦、さらに世界ジュニアを含めれば個人戦は4試合ある。もし全てを勝ったとしたら…。“5”のジンクスは再び五輪の舞台で巡ってくる。

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