坂上 後輩・マー君刺激「アイスホッケーをメジャーに」

[ 2014年1月25日 05:30 ]

笑顔で出発するアイスホッケー女子日本代表の坂上智子

 ソチ五輪に出場するアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が24日、成田空港からチェコへ出発した。FW坂上智子(30=三星ダイトーペリグリン)は、楽天から大リーグ・ヤンキースへの移籍が決まった田中将大投手(25)と同じ北海道・駒大苫小牧を卒業。メジャーに挑戦する後輩の姿に刺激を受け、メダル獲得でアイスホッケーをメジャー競技にすることを誓った。

 大舞台を前に胸の高鳴りを抑えきれない。世界に乗り込む心境は、前日(23日)に会見してヤンキース移籍への決意を語った田中と同じだ。五輪を含め約1カ月の遠征に出発したFW坂上は「いよいよ五輪だなって感じになりました。やるべきことはやってきたので、みんなで楽しく五輪に向けて調整していきたい」とあふれる闘志をスマイルに包んだ。

 北海道・駒大苫小牧高を07年に卒業したマー君と、02年に卒業した坂上。在籍期間に重なりはないが、坂上は甲子園での田中の熱投は友人とテレビで観戦し、校歌も何度も歌った。「(駒大)苫小牧で見たことがないので、そこまで親しみはないけど」と前置きした上で、「同じ高校だし、大リーグで頑張ってほしい」とエールを送る。メジャー挑戦を決めた後輩の姿に、先輩が刺激を受けないわけがない。

 日本女子にとって16年ぶりの五輪。昨年9月に日本オリンピック委員会の就職支援事業「アスナビ」を通じ、自動車クラッチ板製造のダイナックスに入社した坂上だが、それまでは宅配ピザのチェーン店で時給810円のアルバイトをしていた。今でこそ学生を除く代表全員の就職が決まったものの、取り巻く環境は厳しかった。「メダルを獲って帰ってきてアイスホッケーがメジャーになればいい」。田中のように年俸23億円超えは無理でも、メジャー競技の仲間入りを目指している。

 チェコで強化試合を2試合行った後、2月1日にソチへ移動。5日に本番会場でロシアと練習試合を戦い、9日のスウェーデンとの初戦に備える。「チームの目標であるメダル獲得のために泥臭いプレーでチームを引っ張っていきたい」。強豪の厳しいディフェンスにも、スマイルジャパンの点取り屋は止まらない。

 ◆坂上 智子(さかがみ・ともこ)1983年(昭58)10月18日、北海道出身の30歳。9歳でアイスホッケーを始め、06年トリノ、10年バンクーバー五輪は予選敗退で出場できず。昨年のソチ五輪最終予選、ノルウェーとの第1戦で決勝ゴールを決めた。1メートル63、56キロ。

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2014年1月25日のニュース