稀勢の里、綱獲り絶望的…碧山にアッサリ…5日目で2敗目

[ 2014年1月17日 05:30 ]

碧山(右)のノド輪に押し込まれる稀勢の里

大相撲初場所5日目

(1月16日 東京・両国国技館)
 綱獲りに挑む大関・稀勢の里は平幕・碧山に押し出され、痛恨の2敗目を喫した。立ち合いで呼吸が合わずに墓穴を掘った。13勝以上の優勝とされる昇進条件をクリアするのは絶望的な状況となった。関脇・豪栄道が小結・栃煌山に敗れて初黒星を喫し、早くも全勝は横綱・白鵬だけとなった。カド番大関の琴奨菊は3勝目を挙げ、白星を先行させた。
【取組結果】

 痛すぎる序盤の2敗。碧山に一方的に押し出された稀勢の里の綱獲りは、いよいよ「風前のともしび」となった。

 波乱含みの仕切りが、黒星を暗示していた。最初の立ち合いは碧山が突っかけ、大関が「待った」。次の仕切りは、碧山がそんきょする途中の中腰、稀勢の里が仁王立ちという状態でにらみ合いとなった。その間、12秒。稀勢の里が嫌う形でやり直しとなった。次の仕切りでも再び6秒のにらみ合い。この日の朝稽古では「(立ち合いは)日に日に良くなっている」と手応えを口にしていたが、土俵に上がると自らペースを乱した。成立した立ち合いでは上体を起こされ、左喉輪と突きをくらい、あっけなく土俵を割った。

 鏡山審判部長(元関脇・多賀竜)は「さっさと仕切って、さっさとやればいい。理解不能」と酷評した。13勝以上の優勝とされる昇進ライン。その可能性については「(綱獲りは)終わったね、もう。13勝?勝たないよ、あんな相撲じゃ。残念」と突き放した。国技館に駆けつけた父・貞彦さんも「今場所は厳しい」と肩を落とした。

 稀勢の里は取組後、報道陣の問いかけにも無言だった。しかし、過去に奇跡の昇進がなかったわけではない。第46代横綱・朝潮は59年春場所の序盤で2敗を喫したが、最終的に13勝まで星を伸ばし横綱になった。白鵬とは2差がつく苦しい状況だが、今は奇跡を信じて白星を重ねるしかない。

 ▼九重事業部長(元横綱・千代の富士)平常心じゃないよね。いつもと違うんでしょう。(綱獲りは)まだ(可能性が)あるんだから。そこまで期待を込めて見ないといけない。

続きを表示

2014年1月17日のニュース