倉本、PGA会長選に出馬 史上初現役プロのトップ誕生へ

[ 2014年1月16日 05:30 ]

PGA会長選への出馬を検討している倉本

 男子プロゴルフツアーの永久シード選手でシニア、レギュラーの両ツアーで活躍する倉本昌弘(58)が、2月24日に行われる日本プロゴルフ協会(PGA)の会長選に立候補することが分かった。現在の森静雄会長(60)は、元副会長らが暴力団と交際していた問題の責任を取り、昨年末に他の理事らとともに総辞職していた。倉本が会長となれば史上初の現役選手のトップとなり大きな話題となるのは間違いない。

 改革派の旗手が、暴力団問題で揺れる日本プロゴルフ協会の立て直しに立ち上がる。

 倉本は、90年代の男子ツアーの選手会長時代に日本ゴルフツアー機構(JGTO)の立ち上げに力を発揮。関係者によれば、日本ツアーの改革を進めたその手腕を見込まれ、周囲から会長選の立候補を強く説得されているもようだ。この日、広島で行われた日本プロゴルフ協会の中国・四国地区の地区大会では、同地区代表の代議員およびPGAの理事候補にも選ばれている。本人は会長選について「どなたが立候補されるかも分からない段階でコメントできない。今は何も決まっていない」と慎重だったが、関係者は前向きに検討しているもようだという。

 PGAは昨年、元副会長と元理事が在職中に暴力団幹部とゴルフをプレーするなどの“黒い交際”が発覚。12月31日に森会長ら執行部を含む理事と外部理事、全91人の代議員が総辞職した。ただ、公益社団法人の定款により、理事がいない状況は認められないため、2月24日の社員総会(代議員総会)で新体制が発足するまで職務を続けなければならない。会長選は同10日が立候補の受け付け&締め切りで、同24日に新理事の互選で任命される予定だ。

 PGAの会長はこれまで、一線を退いたプロしか就任してこなかった。しかし、倉本は現役プロと“二足のわらじ”を履くことが濃厚。レギュラーツアーでプレーする選手で、しかもビッグネームの会長就任となれば、組織改革だけでなくシニアツアーのスポンサー獲得にも絶大な効果が予想される。

 ◆倉本 昌弘(くらもと・まさひろ)1955年(昭30)9月9日生まれ、広島県出身。日大時代には日本学生、日本アマなど数々のタイトルを獲得。さらにアマチュアとして当時ツアー競技の中四国オープンで優勝。プロ転向後の81年にいきなりツアー4勝を挙げ、賞金ランク2位に入る活躍を見せた。メジャーの82年全英オープンでは日本歴代最高の4位。ツアー通算30勝。10年日本シニアオープン優勝。1メートル64、66キロ。

 ▼日本プロゴルフ協会 1957年に設立。シニアツアーの統括・運営並びにプロテストの実施、ライセンス授与などを行う。トーナメントプロのほか、レッスンプロら約5000人が会員登録。なお、男子のレギュラーツアーは99年にPGAから独立したJGTOが運営している。

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2014年1月16日のニュース