錦織41度熱闘フルセット3時間41分制した

[ 2014年1月15日 05:30 ]

男子シングルスで初戦を突破した錦織圭

全豪オープンテニス第2日

(1月14日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルス1回戦で、第16シードの錦織圭(24)は世界ランキング54位の地元オーストラリアのマリンコ・マトセビッチ(28)にフルセットの末、6―3、5―7、6―2、4―6、6―2で競り勝った。気温41度の酷暑の中、3時間41分の死闘を制し、4年連続の初戦突破を果たした。女子シングルスでは森田あゆみ(23)と奈良くるみ(22)が1回戦を突破した。

 押し寄せる熱波。オーストラリア南部はあまりの高温に警報まで発令されていた。試合中の気温は最高41度。強烈な日差しが照りつけるコートの表面は63度にもなっていた。屋外にいるだけでもだるくなる。そんなしゃく熱地獄の中、錦織は最終セットにタフネスぶりを発揮した。

 サービスゲームをキープして迎えた第2ゲーム。前に出てプレッシャーをかけ、強烈なフォアを叩き込んだ。さらにリターンエースを決めて先にブレークに成功。一気に流れを引き寄せた。ミスしてイラだつマトセビッチとは対照的に、堅実なプレーを続けて6―2。「5セット目で集中力を上げることができてよかった」。勝負どころで最高のパフォーマンスを発揮した。

 暑さに加え、旗が音を立ててはためくほどの強風。スタンドがすり鉢状にコートを囲み「風が渦を巻いている感じ」だったという。そんな難しい条件でも地力の違いを見せた。休憩時間には頻繁にシャツを交換して水分を補給。用意していた氷で首回りなどを冷やした。「暑さは慣れてきたのか、きつくはなかった。風の方がやりにくかったぐらい」。世界中を転戦して、どんな環境にも対応してきた男は涼しい顔でそう振り返った。

 格下相手の1回戦からフルセットの戦いになり、大会前に上位進出の鍵に挙げていた「省エネテニス」はできなかった。「ちょっと自分から攻めてのミスが多かった。もう少し頭を使いたい」と反省も忘れなかった。2回戦の相手は世界117位のラヨビッチ(セルビア)。予報では暑さはこの日がピーク。一つの壁は乗り越えた。

続きを表示

この記事のフォト

2014年1月15日のニュース