稀勢“休養効果”申し合い18戦全勝で綱獲り万全

[ 2014年1月10日 05:30 ]

高安との三番稽古で18戦全勝と前日を休養に充てた効果で体の動きも良かった稀勢の里

 大相撲初場所(12日初日、両国国技館)で2度目の綱獲り挑戦となる大関・稀勢の里(27=田子ノ浦部屋)は“休養効果”で調子を上げた。8日の稽古では相撲を取らなかったが、9日は同部屋の平幕・高安(23)と三番稽古を行い18戦全勝。初の綱獲りだった昨年7月の名古屋場所では稽古のやりすぎでバテただけに、反省を踏まえたマイペース調整で臨む。連覇を目指す横綱・日馬富士(29=伊勢ケ浜部屋)は痛めている左足首の影響で休場の可能性が高まった。

 午前9時50分すぎ、綱獲りの大関は東京都墨田区の田子ノ浦部屋で2日ぶりに土俵に入った。高安との三番稽古では右上手、左前ミツを引く左四つからの寄りを中心に、連続18番取って全勝。稀勢の里に危ないところはみじんもなかった。「感触は良かったですよ」と笑みがこぼれた。

 立ち合いの踏み込みや前に出る圧力は、7日に千葉県船橋市の松ケ根部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で白鵬と稽古した時よりも増していた。ここに来て調子が上がっているのは、休養効果に他ならない。前日は大関・鶴竜が稽古場に訪れたが、「前から決めていた」と申し合いはせずに四股やすり足だけで体を休めた。調整のペースを一度落として蓄積していた疲労を取ったことで「体の調子はだいぶいい感じになってきたね」とうなずいた。

 今回の調整は全て計算ずくだ。初の綱獲りだった昨年7月の名古屋場所は、場所前に連日のように出稽古を行って番数をこなした。疲労がたまっても意地で稽古を続けたことで右足の付け根を負傷。それでも無理をして春日野部屋へ出稽古に行ったが、納得の相撲は取れなかった。調整の失敗に綱獲りの重圧も加わり、7日目までに3敗。ガス欠状態の千秋楽では琴奨菊に敗れ、綱獲りが振り出しに戻った。もう同じ轍(てつ)は踏まない。「上昇カーブでいけたらいい。休んで結果が出たらいい」。並々ならぬ決意は秘めているものの、大勢の報道陣に応対する際にはリラックスした表情も浮かべた。ここ一番では硬くなって結果を残せずにきただけに、休養から生まれた余裕が本場所で好結果を呼ぶか注目だ。

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2014年1月10日のニュース