東海大仰星 満腹V 1日480円ランチ効果テキメン

[ 2014年1月8日 05:30 ]

<東海大仰星・桐蔭学園>7年ぶり3回目の優勝を果たしスタンドに向かう東海大仰星フィフティーン

全国高校ラグビー決勝 東海大仰星19―14桐蔭学園

(1月7日 東大阪市・花園ラグビー場)
 東海大仰星(大阪第1)が19―14で桐蔭学園(神奈川)に競り勝ち、7年ぶり3度目の全国制覇を果たした。桐蔭学園が攻撃の主導権を握る中、数少ないチャンスを見逃さず、ロック西野晃太(3年)が1トライを挙げて全3トライに絡む活躍を見せた。OBである湯浅大智監督(32)は就任1年目での頂点。99年度は主将として全国優勝を経験しており、選手、監督として日本一になった。

 どれだけ攻められてもワンチャンスをモノにする。その力を、東海大仰星は秘めていた。

 「狙っていました。取れる自信はありました」

 ロック西野が振り返ったのは前半1分。敵陣25メートル付近で相手パスをインターセプトし、そのまま先制トライを奪った。桐蔭学園が自陣から徹底してアタックにこだわり、ボールを保持。構図は攻めの桐蔭、守りの仰星とハッキリした。懸命の守りが続く中で、1メートル74の小柄なロックは攻撃の牙を研ぎ続けていた。

 7―7の後半8分はゴール前5メートルでペナルティーをもらうと、スッと手薄な左サイドのラインに加わった。速いリスタートからつながったボールを、WTB河野へパスして勝ち越しトライを演出。同11分は自陣でのこぼれ球を拾ってゴール前まで大きくゲインし、ロック永井のトライを呼んだ。

 大会前。宿舎での個人面談の際、湯浅監督は「ゲームを読むセンスがある」と、直接、西野をキーマンの一人に指名していた。「気合が入りました」。高校日本代表候補8人を擁するスター軍団を陰で支える“縁の下の力持ち”が、全3トライに絡んで1トライ差の勝利に貢献した。

 7年ぶり3度目の全国制覇は食事改革の成果だ。近年の全国的なサイズアップについていこうと、昨年から各家庭任せだった弁当に替え、学校の食堂でラグビー部専用の昼食を用意した。おかずは学校、ご飯は家から持ってきた2合を昼に必ず食べた。西野は昨年から5キロアップして93キロ、FB野口は10キロ近く増え80キロになった。1日480円のランチが、桐蔭の激しいアタックを耐え切る一因になっていた。

 3年生は私立高校授業料無償化の“1期生”だったこともあり、過去最多の選手48人が入部。その大半は、06年度の2度目の優勝を見て入ってきた者だ。大会を通じて見せたのは当時と同じボールが次々とつながる連続攻撃。エキサイティングなラグビーで頂点に立った。

 ▽東海大仰星 1983年に東海大の付属校として創設。96年に中等部も開校した。84年創部のラグビー部は多くの有力選手を輩出し柔道部も全国レベル。米大リーグで活躍する上原浩治(レッドソックス)もOB。

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