稀勢 あわや!右足首ひねった 白鵬からは綱獲りに“注文”

[ 2014年1月7日 05:30 ]

右足首をひねった稀勢の里(手前)は痛くてやっと立ち上がった

 大相撲初場所(12日初日、両国国技館)で綱獲りを目指す大関・稀勢の里(27=田子ノ浦)は6日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加し、松鳳山との申し合いで右足首をひねるアクシデントがあった。大事には至らなかったが、綱獲りを前にヒヤリとした。出稽古を開始した横綱・白鵬(28=宮城野部屋)は先輩横綱として稀勢の里に「優勝」での綱獲りを求めた。

 松鳳山を押し出したときにアクシデントが起きた。土俵を割った相手に引き落とされると、前のめりに倒れ込んだ稀勢の里はしばらく立ち上がれなかった。弟弟子の高安らが心配して駆け寄ると、右足首を気にしながらなんとか立ち上がったが、上がり座敷で見ていた松ケ根親方(元大関・若嶋津)が「もうやめろ。ぶつかれ」と指示。そのまま稽古は終了した。

 稀勢の里は付け人に支えられながら土俵の外に出てぶつかり稽古も行わなかった。初日まで6日に迫ったところでの負傷。じん帯などを痛めれば綱獲りに大きな影響を及ぼすことになる。だが、稽古が終了すると「全然、余裕。大丈夫です。ちょっと伸びただけ。ストレッチになったんじゃない」と苦笑いしながら答えた。大事には至らなかったもようで、稽古を見守った関係者も胸をなで下ろした。

 体調に問題はないが、綱獲り場所の成績に関しては先輩横綱が注文を出した。昨年12月26日の横審総見で内山斉横綱審議委員会委員長(読売新聞グループ本社顧問)は「14勝して優勝決定戦で負けても昇進となる」との見解を示したが、時津風部屋に出稽古した横綱・白鵬は優勝を求めた。「優勝しないと(昇進は)難しい。そういう意味で今まで以上に頑張らないといけない。それが横綱の宿命。仮に(優勝なしで)横綱になってもあとあとが大変」と話した。

 最近では第60代横綱・双羽黒が優勝なしで昇進したが、結局、横綱でも優勝できずに引退した。白鵬だけでなく、全ての人を納得させ、その後の活躍につなげるには優勝が必要なのは間違いない。白鵬の説いた綱の重さの意味をかみしめ、稀勢の里は最終調整に入る。

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2014年1月7日のニュース