キム・ヨナ 圧巻の表現力で貫録V!世界最高得点に肉薄

[ 2014年1月6日 05:30 ]

女子フリーで演技する優勝したキム・ヨナ

フィギュアスケート韓国選手権最終日

(1月5日 韓国・高陽)
 宿命のライバルが夢舞台への準備を整えた。女子フリーで10年バンクーバー五輪金メダリストのキム・ヨナ(23)が、終盤のジャンプでミスがありながら147・26点をマーク。自身が持つ合計の世界最高得点228・56点に匹敵する227・86点で優勝した。2月のソチ五輪で悲願の金メダルを狙う日本の浅田真央(23=中京大)の前に、女王が立ちはだかる。

 得点のアナウンスを聞くと、控えめに手を叩き、そして笑った。ソチ五輪前最後の実戦で、キム・ヨナが合計227・86点をマーク。国際スケート連盟(ISU)主催大会ではないため参考記録扱いだが、10年バンクーバー五輪で自身が叩き出した228・56点の世界最高得点に肉薄した。韓国の聯合ニュースによると、「全体的には満足している」と話し、本番へ確かな手応えをつかんだ。

 フリーはタンゴの「アディオス・ノニーノ」。冒頭に3回転ルッツ―3回転トーループのコンビネーションを決めたが、終盤の3連続ジャンプが2連続になり、ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)は1回転半に。完璧な演技ではなかったが、表現力を示す5項目の演技点は圧巻だった。5項目は各10点満点で、1・6倍で算出される女子では満点が80点になる。77・21点のキム・ヨナは、9点台後半をそろえた。

 現役最後のシーズンの今季はGPシリーズを右足甲の故障で欠場。復帰したのは昨年12月のゴールデンスピン(クロアチア)で、同大会の時より「自信を深めた」と言う。今大会前に五輪代表を決めていたキム・ヨナにとって、国内にライバルはいない。得点が出やすい傾向にある国内選手権でジャッジにアピールし、夢舞台への準備は完了。「ソチまでに体力面と技術面の課題に取り組む。気を抜かずに全力を尽くす」と気合を入れた。

 ソチ五輪での金メダル争いは、4年前と同様に浅田とキム・ヨナの一騎打ちになりそうだ。浅田は昨年11月のNHK杯の後、キム・ヨナについて「バンクーバーのように最高の舞台でたくさんの注目が集まる中、試合に出られたらいい刺激になる」と話していた。宿命のライバル対決を制したスケーターが、一番輝くメダルを手に入れる。

 【女子】 (1)キム・ヨナ227・86点(SP(1)80・60点、フリー(1)147・26点)

 ▼フィギュアの得点 ISU主催ではない国内選手権では、自国のスケーターを対外的にアピールするため高得点が出る傾向がある。昨年末の全日本選手権では鈴木と村上が200点を超え、ロシア選手権でもソトニコワとリプニツカヤが自己ベストをはるかに上回る得点を叩き出した。浅田も国内外含めた自己最高得点として06年の全日本選手権では211・76点をマークした。

続きを表示

この記事のフォト

2014年1月6日のニュース