スピードＳ代表選考紛糾３時間半　最後は７対６多数決

スピードスケート　ソチ五輪代表選考会最終日

（12月29日 長野市エムウエーブ）
　代表を選ぶ強化委員会は３時間半にも及んだ。焦点は女子で代表入りする可能性のある選手が、国際スケート連盟（ＩＳＵ）の定める総枠の１０人を超えたため紛糾。メダルに近い女子団体追い抜きを優先し、２種目で選考基準を満たしていた女子短距離の神谷が予想外の落選となった。

　日本女子の出場枠は５００、１０００、１５００メートルが４枠ずつ、３０００と５０００メートルが３枠ずつ。この１８枠と団体追い抜きを１０人で回さなければならなかったが、Ｗ杯の成績で内定していた小平、石沢に続き、メダルに最も近い団体追い抜きを選考。Ｗ杯第１戦の２位で出場枠獲得に貢献した田畑、菊池、高木菜の３選手が満場一致で決定し、４番手に押切が選ばれた。

　残り４枠を短距離と長距離種目で分け合った。Ｗ杯ランキングから、５００メートル４番手が五輪の入賞に最も遠いとみて、選考会４位ながらＷ杯前半戦で７位がある住吉と、選考会３位の神谷を比較。関係者によると最後は７対６の多数決で決定した。３０００メートルと５０００メートルで選考会３位の石野も団体優先で代表から漏れる形となった。

　【五輪代表者】

　◆小平　奈緒（こだいら・なお）１０年五輪は団体追い抜きで銀メダルを獲得し、１０００メートルと１５００メートルで５位。信州大出、相沢病院。１メートル６５、６１キロ。２７歳。長野県出身。

　◆辻　麻希（つじ・まき）１１～１２年シーズンのＷ杯初戦で５００メートル２位。北海道・白樺学園高出、開西病院。１メートル６２、５８キロ。２８歳。北海道出身。

　◆田畑　真紀（たばた・まき）４度目の五輪だった１０年バンクーバー大会団体追い抜き銀メダル。その後、自転車に挑戦。北海道・駒大苫小牧高出、ダイチ。１メートル６２、５５キロ。３９歳。北海道出身。

　◆高木　菜那（たかぎ・なな）１３年全日本距離別選手権の３０００メートルで初優勝。北海道・帯広南商高出、日本電産サンキョー。１メートル５５、４７キロ。２１歳。北海道出身。

　◆住吉　都（すみよし・みやこ）Ｗ杯５００メートルは５位が最高。信州大出、ローソン。１メートル６２、５６キロ。２６歳。北海道出身。

　◆菊池　彩花（きくち・あやか）１３年全日本距離別選手権の１５００メートルで初優勝。長野・佐久長聖高出、富士急。１メートル６９、６０キロ。２６歳。長野県出身。

　◆押切　美沙紀（おしぎり・みさき）１１年全国高校選手権短距離２冠。北海道・駒大苫小牧高出、富士急。１メートル６７、６０キロ。２１歳。北海道出身。

　◆藤村　祥子（ふじむら・しょうこ）１１年日本学生氷上競技選手権３０００メートル優勝。日体大出、宝来中央歯科。１メートル５４、５０キロ。２６歳。北海道出身。

　◆穂積　雅子（ほづみ・まさこ）１０年五輪団体追い抜き銀メダル、３０００メートル６位。北海道・駒大苫小牧高出、ダイチ。１メートル６２、５７キロ。２７歳。福島県出身。

　◆石沢　志穂（いしざわ・しほ）今季Ｗ杯アスタナ大会５０００メートルで４位。北海道・駒大苫小牧高出、トランシス。１メートル６７、６７キロ。２７歳。北海道出身。

　◆加藤　条治（かとう・じょうじ）５００メートルの日本記録保持者。０５年に３４秒３０の世界記録（当時）樹立。０６年五輪６位、１０年五輪で銅メダル。Ｗ杯５００メートルで通算１４勝。山形中央高出、日本電産サンキョー。１メートル６５、６５キロ。２８歳。山形県出身。

　◆長島　圭一郎（ながしま・けいいちろう）１０年五輪５００メートル銀メダル。Ｗ杯は通算１３勝。１０００メートルの日本記録保持者。日大出、日本電産サンキョー。１メートル７２、７０キロ。３１歳。北海道出身。

　◆及川　佑（おいかわ・ゆうや）５００メートルの前日本記録保持者で０６年五輪４位、１０年は１３位。山梨学院大出、大和ハウス。１メートル７２、７１キロ。３２歳。北海道出身。

　◆上條　有司（かみじょう・ゆうじ）全国高校選手権５００メートル２連覇。日体大出、日本電産サンキョー。１メートル６６、７２キロ。２７歳。長野県出身。

　◆ウィリアムソン　師円（しえん）父がオーストラリア出身。今季から本格的に取り組んだ長距離で開花し、Ｗ杯代表入りした。山形中央高３年。１メートル７６、６７キロ。１８歳。北海道出身。

　◆山中　大地（やまなか・だいち）昨季Ｗ杯で初めて代表入り。長野高専出、電算。１メートル７７、７５キロ。２３歳。長野県出身。

　◆近藤　太郎（こんどう・たろう）北海道・駒大苫小牧高３年生だった昨季Ｗ杯デビュー。専大。１メートル７５、７７キロ。１９歳。北海道出身。