早大 エース大迫で大逃げ!「花の2区」より優勝へ1区勝負

[ 2013年12月30日 05:30 ]

実績のある1区でエントリーした早大・大迫

 第90回東京箱根間往復大学駅伝の区間エントリーが29日、発表された。駒大、日体大、東洋大の3強の激突に注目が集まるが、3大会ぶりの優勝を目指す早大はエースの大迫傑(すぐる)主将(4年)を1区で起用。5区山上りに実績がある山本修平(3年)の欠場が濃厚となる中、先制パンチで番狂わせを狙う。

 渡辺康幸監督が「唯一の大砲」と称するワセダの大エース・大迫が、1区に名を連ねた。最終学年で“花の2区”や、当日のエントリー変更が可能な補欠で他大学をかく乱する作戦も考えられた中、2度区間賞を獲得している最適コースでの起用。渡辺監督は「駒大の3冠を阻止するためには、こういうオーダーしかない」と語気を強めた。

 覚悟を決めた布陣でもある。5区山上りで2年連続区間3位と計算が立った山本が故障。「3度目の給水で失格となる以上、100%じゃない選手は使えない」と起用見送りを口にした。「往路で勝たないと、うちは優勝はない」と言うが、2~5区のエントリー選手は全員が箱根初体験。大迫がどれだけリードをつくるかが全てと言っても過言ではない。

 厳しい包囲網が待っている。今季2冠の駒大は出雲、全日本と1区区間賞の中村を起用。日体大の別府監督は次代のエース・山中をエントリー変更で投入することを明言し、東洋大も安定感ある田口を配した。他大学の監督は「大迫くんについていくか、次の区間へのつなぎを考えるか」と話し、極力アドバンテージを与えない守りの作戦も示唆している。

 それでも、1万メートル27分38秒31の学生最高記録保持者への期待は高い。今月20日まで単身で渡米。本人は「5年、10年先のことを考えて頑張った方がためになる」と言うが「箱根は僕らの世代の集大成。みんなで一つの目標に向かうのは今後の財産になる」と腕ぶす。「好調なら1時間1分台で走ってこられる」と過去4人しかマークしていない好記録を口にした指揮官は、大黒柱の快走にエンジの命運を託した。

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2013年12月30日のニュース