鳴戸親方が田子ノ浦に変更「重圧に耐えきれなかった」

[ 2013年12月25日 19:34 ]

 大相撲の鳴戸親方(37)=元幕内隆の鶴、本名積山伸一、鹿児島県出身=が25日、年寄「田子ノ浦」を取得して名跡を変更し、日本相撲協会に名跡証書を提出した。鳴戸部屋の名称は消え、初場所(来年1月12日初日・両国国技館)で綱とりに挑む大関稀勢の里の所属は田子ノ浦部屋になる。

 鳴戸親方は名跡の一括管理のため相撲協会が定めた今月20日の期限までに証書を提出できず、部屋存続の危機に陥る恐れがあった。鳴戸は協会預かりで、空き名跡となった。

 関係者によると、鳴戸の名跡証書は一昨年11月に急逝した先代親方(元横綱隆の里)の夫人が所有している。鳴戸親方との引き渡しをめぐる協議が物別れに終わったため、力士12人らは千葉県松戸市の部屋施設から近日中に移転する見通し。

 田子ノ浦は昨年2月に亡くなった元幕内久島海の名跡だった。ことし4月まで元幕内金開山(現三保ケ関親方)が名乗り、その後は空いていた。田子ノ浦は出羽海一門の名跡で、二所ノ関一門の鳴戸からの変更に伴って一門も移るかどうかは未定。

 東京・両国国技館で取材に応じた鳴戸親方は「これから部屋をやっていく上で自分が決めた。力士のことが一番なので、稽古場とか寝るところとか早めに決めたい」と涙交じりに話した。

 相撲協会に名跡証書を提出していないのは、春日山(元幕内浜錦)と熊ケ谷(元十両金親)の2親方となった。

 ▼田子ノ浦に名跡変更した鳴戸親方(元幕内隆の鶴)の話 先代の師匠(元横綱隆の里)の名前が偉大すぎて、重圧に耐えきれなかった。部屋のみんなには迷惑を掛けたくない。早く力士が安心して稽古をできる環境をつくってあげたい。

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2013年12月25日のニュース