真央「今で良かった」腰痛響き3位 五輪での復活誓う

[ 2013年12月24日 05:30 ]

悔しそうな表情の浅田

全日本フィギュア最終日・女子フリー

(12月24日 さいたまスーパーアリーナ)
 悔しさは夢舞台で晴らす。女子フリーで浅田真央(23=中京大)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度失敗するなど精彩を欠き、合計199・50点で3位に終わった。五輪代表に決まったものの、課題を残した。215・18点で初優勝した鈴木明子(28=邦和スポーツランド)、202・52点で2位に入った村上佳菜子(19=中京大)も代表に決まった。合計171・12点で7位に終わった安藤美姫(26=新横浜プリンスク)が現役引退を表明した。
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 失意とともに4分9秒の演技を終えた浅田から本音が漏れた。「今で良かった」。冒頭のトリプルアクセルが両足着氷になると2度目の大技は1回転半に。他のジャンプも精彩を欠き、得点は今季ワーストの199・50点。3位で五輪代表こそ決めたが、「自分の目指しているものが全くできていない」と怒りの矛先は自身に向いていた。

 朝の公式練習、演技直前の6分間練習でトリプルアクセルが不調。「タイミングがつかめないままの試合だった」と浅田は話したが、今月上旬のGPファイナル前に発症した持病の腰痛の影響は大きかった。佐藤信夫コーチ(71)は「スピンの練習は十分にやっていないし、そういうものが(ジャンプなど)他のところにも影響が出る」と説明する。1月の四大陸選手権は回避。2月の本番まで時間が空くためコンディションを万全に整えることに力を注ぐ。

 全日本は悔しい結果に終わったが、胸高鳴る五輪ライフがまたやってくる。初出場の10年バンクーバー五輪で、特に気に入ったのが選手村だ。関係者は浅田が五輪のけん騒から離れて休めるよう、バンクーバー市内のホテルの一室を押さえていたものの、一度も立ち寄らなかった。家族も応援に駆けつけていたが、関係者が「フリーの後くらい、みんなで朝まで話したら?」と勧めても、選手村で過ごした。

 バンクーバーでは3度のトリプルアクセルを決めながら銀メダル。演技後のインタビューではマスカラが落ちて黒い涙をぽろぽろと流した。表彰式でも心から笑うことはできず、銀メダルを悲しそうな瞳で見つめた。あれから4年。楽しいことよりつらいことが多かった。トリプルアクセルの跳び方を見失い、最愛の母・匡子(きょうこ)さん(享年48)は天国に旅立った。引き際を考えることも増え、4月には今季限りでの現役引退を表明した。

 逆風を何度もはね返してたどり着いた集大成の夢舞台。だから、今大会で噴出した課題もきっと乗り越えられる。バンクーバーの銀メダルは今、自室のショーケースに並んでいる。目にするたびに思う。自分に負けたくない、と。

 「五輪では今まで以上に頑張って、最高の演技ができるように頑張る」

 浅田真央が浅田真央に勝った時、心の底から笑い、全身で泣くことができる。スポットライトを浴びて、黄金の輝きを放つメダルの重みをかみしめながら――。

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