伊調馨 階級変更で困惑も3戦全Tフォール勝ちでV!

[ 2013年12月24日 05:30 ]

女子59キロ級決勝 坂上嘉津季(左)を破り優勝した伊調馨

レスリング全日本選手権最終日・女子59キロ級決勝

(12月23日 東京・代々木第二体育館)
 階級を変更して女子59キロ級に出場した五輪63キロ級3連覇の伊調馨(29=ALSOK)が、苦しみながらも3試合全てテクニカルフォール勝ち。63キロ級時代と合わせて10度目の優勝を飾った。

 ポーカーフェースの女王に一瞬、戸惑いの色が広がった。59キロ級に出場した伊調の初戦となる2回戦。隈部千尋(環太平洋大)の片足タックルを受け2点を先制された。最終的にはわずか1分3秒で9―2のテクニカルフォール勝ちとなったが、7―0の準決勝、そして9―0の決勝も1度ずつ相手にタックルに入られる場面があった。

 「初めての59キロでたくさんの発見があったし、反省もあった。1月からはこの反省を生かして頑張りたい」。

 20年五輪でのレスリング存続が決まった今年、16年五輪から女子は6階級に増えることも決まった。本来、61キロしか体重がない伊調にとっては適合階級が生まれるチャンス。「(今年9月の)世界選手権を63キロ級の最後にしようと決めていた」。だが、迷いなく飛び込んだ下の階級には、重さやパワーではない、新たな敵が待っていた。それが相手のスピードと「的の小ささ」だった。

 実際に来年から施行される新階級は58キロ級。現在55キロ級で戦う選手も階級を上げてくることが予想され、スピードはさらに増す。10年ぶりという減量も経験。「(相手が)大きい人の方が戦いやすかったんだなあ、と思った」とも言った。だが、ここからがレスリング道を突き詰める伊調の真骨頂だ。

 「でもスピードも展開も軽い階級の方が楽しそうだなあ、と。相手も変わるし、いろいろやらなきゃいけない。でも課題が多いから、楽しいんじゃないですか」

 所属するALSOKの大橋正教監督は「あくまで試している段階」と話したが、伊調の笑みは気持ちが決まったことの証。格下相手にタックルを浴びた苦い経験すら糧にできる女王は、新たなおもちゃを手にした子供のように目を輝かせた。

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