高橋、自分の演技できず…「これが実力。受け止めなくてはいけない」

[ 2013年12月22日 23:43 ]

<全日本フィギュア男子フリー>5位に終わった高橋

フィギュアスケート全日本選手権男子フリー

(12月22日 さいたまスーパーアリーナ)
 言葉が続かなかった。「いやぁ~」「まったく…」「えっと…」「自分の演技が…」「ちょっと待って…」。

 けがを押して3大会連続の代表入りを目指した高橋大輔(27=関大大学院)だったが、結果は表彰台に届かない5位。まだ代表に選ばれる可能性は残っているものの、不完全燃焼に終わった最後の全日本の不本意な結果を受け入れるには少し時間が必要だった。

 冒頭の4回転トーループで転倒。続く4回転も回転不足で両足着氷となり、後半のトリプルアクセルでも片手を付いた。かつて世界王者に君臨した高橋にとって自分のイメージとはかけ離れた内容だったが、右手から血を流しなが最後まで演技を続けた。

 フィニッシュ後には総立ちの観客に向けて深々と頭を下げた高橋。「最後まで応援してくれたことがうれしくて…。これで最後の演技になるかもしれない。“ありがとうございます”という思いでした」。そう話すと涙が止まらなかった。

 11月下旬に右膝の下痛めた。5年前に前十字靱帯を断裂して手術を受けた箇所だ。患部には水がたまり、とても万全といえる状態ではなかった。長光歌子コーチは「あと1週間ほしかった」と悔やむ。

 「自分の演技ができなくて悔しい。でも、これが僕の実力。受け止めなくてはいけない」。日本のフィギュアをリードしてきた高橋は静かに23日の代表発表を待つ。

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2013年12月22日のニュース