沙羅 圧巻!W杯開幕連勝 ただ一人100メートル超え連発

[ 2013年12月22日 05:30 ]

105メートルをマークした高梨の2本目のジャンプ

ノルディックスキー W杯女子ジャンプ第2戦

(12月21日 ドイツ・ヒンターツァルテン)
 個人第2戦(HS108メートル、K点95メートル)が行われ、17歳の高梨沙羅(クラレ)が2回とも最長となる101メートル、105メートルを飛び、266・8点で開幕戦に続いて優勝し、通算11勝目を挙げた。ダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が101メートル、99・5メートルの252・4点で2位だった。伊藤有希(土屋ホーム)が95メートル、97・5メートルの236・2点で自己最高の6位に入り、渡瀬あゆみ(アインファーマシーズ)は25位だった。

 総合1位を示す黄色のゼッケンをつけた高梨が第2戦でも強さを見せつけた。ただ一人、100メートル超えのジャンプをそろえ「1回目に空中とテレマークでミスが出たので2回目に引きずらないようにした。気持ちを切り替えられたのは自信になる」と満足げに笑った。

 穏やかな風でほぼ公平な条件。1回目は踏み切りで力をうまく伝えられず、空中でも上体が前に突っ込む癖が出た。イラシュコと同じ101メートルまで伸ばしても着地後は首を振った。2回目は力強い踏み切りで空中姿勢も修正した。テレマーク姿勢もきっちり入れた。

 前日の予選は気温が上がり、着地付近の雪が緩んだ。この日は雪が凍り、バーンが硬くなった。1回目は着地でバランスを崩して、かがむように腰を落とした。飛型点は抑えられたが、4人の審判員は20点満点の17・5点で、大減点を逃れた。「公式練習から印象づけられたので大目に見てくれたのかも」と言うように、着地の課題を克服してきた印象が審判員に定着しつつあるようだ。

 若手の台頭も刺激になっている。今季からW杯に参戦してきた15歳のエマ・クリネツ(スロベニア)は下部大会のコンチネンタル杯を連勝。夏のグランプリでは高梨とサラ・ヘンドリクソン(米国)の2強を抑えて優勝。14歳のジャニナ・エルンスト(ドイツ)もW杯デビュー戦となった開幕戦でいきなり2位に入った。「今後はかなり接戦になっていくんじゃないか」と警戒は怠らない。

 快勝したものの「細かなミスはあるのでもっと頑張らないと」と完璧を求める姿勢は変わらない。夏のグランプリから続く連勝を6に伸ばし、夢舞台に向けてさらなる進化を目指す。

 ▽ソチ五輪への道 ジャンプ女子は最大4人の編成になる予定。サマーグランプリを含めた昨季と今季のW杯など世界大会で(1)8位入賞を果たした選手、(2)同期間内で10位以内に2度入った選手、(3)12位以内に3度入った選手が選考の基準となる。男子は団体戦を考慮して5人が代表となるが、女子は基準を満たさなければ3人以下で挑む可能性もある。

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