優作 “滑り込み”から首位発進「ワインと一緒で飲み頃」

[ 2013年12月6日 05:30 ]

9番、パーパットを沈めギャラリーの声援に応える宮里優

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ第1日

(12月5日 東京都稲城市 東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70)
 プロ12年目の宮里優作(33=フリー)が5バーディー、1ボギーの4アンダー、66をマークして首位発進した。前週7位に入ったことで賞金ランクが30位から24位まで浮上。“滑り込み”で出場権を得た最終戦でツアー初優勝へ向けて好スタートを切った。近藤共弘(36=フリー)、藤本佳則(24=フリー)も首位に並んでいる。
【第1R成績】

 滑り込みで出場した最終戦。宮里優作が、並み居るつわものを押しのけてトップに立った。4番でボギーが先行したが、6番パー5でピン右手前10メートルに2オンに成功して初バーディー。10、14番では、いずれもピン40センチに付けるスーパーショットでスコアを伸ばした。

 「もともと出られると思っていなかった。滑り込みで出られたので心の準備ができていなかったんだけど、予選落ちがないので楽にできている」。日焼けした顔から白い歯がこぼれた。前週カシオ・ワールドオープン前の賞金ランクは30位だった。その時点で、賞金ランク25位まで下りてきた今大会の出場資格はなかったが、同大会で7位に入って2年ぶり3度目の出場権を確保。ぎりぎりで手にしたチャンスを生かした。

 最近2試合はパットに苦しんだ。大舞台を前にコーチの父・優さんに電話を入れて「(パットが)全然入らないからどうにかして」と助けを求めた。そして「ストロークはいいから硬くならずにやればいい。細かいことは自分でやれ」という言葉をもらい、グリップをクロスハンドにしたり試行錯誤。アライメント(アドレス時の体の向き)がずれていることに気付いて修正した。8番で6メートル、11番で5メートルのパーパットを沈めるなど努力はスコアに結びついた。

 平均飛距離289・28ヤードはツアー11位と上位。アイアンの技術も高いが勝ち切れない。その原因を父は「パットが4日間安定しない。突き詰めるタイプで神経質な面がある。それが勝負どころで硬さにつながる。ショットの状態はいい。もっと大ざっぱになれれば」と分析する。アマ時代に日本アマなど数々のタイトルを獲得し鳴り物入りでプロ転向して12年目。宮里優は「ワインと一緒で飲み頃ですね」と笑った。8度目の首位発進。そろそろ栓を開けて勝利の美酒を味わってもいい頃だ。

 ☆日本シリーズJTカップの出場条件 出場選手数は30人。出場権優先順に(1)前年大会優勝者(2)日本ゴルフツアー機構(JGTO)と海外ツアーとの共同主管競技を含む本年度ツアー競技優勝者(3)日本ツアーメンバーで本年度の米ツアー、欧州ツアーなど世界の主要ツアー競技優勝者(4)カシオ・ワールドオープン終了時の賞金ランク上位。

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2013年12月6日のニュース