国立で最後の早明戦に4万7000人 ユーミンが「ノーサイド」

[ 2013年12月1日 19:05 ]

五輪に向けた改修工事を来年に控え、現在の国立競技場で最後となった大学ラグビー早明戦後、「ノーサイド」を熱唱する松任谷由実

 大学ラグビー伝統の一戦、関東大学リーグ対抗戦の早大―明大が1日、2020年東京五輪に向けた改修工事が来年から始まる東京都新宿区の国立競技場で行われ、早大が15―3の勝利を収めた。多くのドラマを生んだ現在の競技場最後の「早明戦」を約4万7000人が見守った。

 試合後にはシンガー・ソングライターのユーミンこと松任谷由実がラグビーを題材にした曲「ノーサイド」を熱唱。両校選手が集まった中で早大の垣永真之介主将は涙を流した。

 バックスの早大と重戦車FWの明大。持ち味が対照的なライバル対決はファンを魅了し続け、国立開催は1973年に始まった。80年代前半には6万6999人を記録するなど満員が当たり前の時代が続いた。積雪の中で早大が猛攻に耐えて勝った87年は「雪の早明戦」として語り継がれるが、近年はラグビー人気低迷で空席が目立っていた。

 節目の試合に向け、両校のラグビー部が観客増に動いた。学生、OBに働き掛け、昨年は数百枚だった早大の学生券は約4000枚売れたという。

 明大OBで18歳の時から観戦している東京都世田谷区の会社員関根謙一さん(65)は「雪の早明戦が忘れられない。国立には魔物がすんでいるといわれ、何が起こるか分からないのが面白い」と語った。早大OBで、引き分けた90年に劇的な独走トライを決めた今泉清さん(46)は「自分のアイデンティティーはここにある。満員になった国立は昔の雰囲気のようで良かった」と目を細めた。

((了)(H)(05)131201 185814

 【編注】▽松任谷由実(まつとうや・ゆみ)▽垣永真之介(かきなが・しんのすけ)▽関根謙一(せきね・けんいち)▽今泉清(いまいずみ・きよし)

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2013年12月1日のニュース