松山2差単独首位!理想通りVで賞金王獲る

[ 2013年12月1日 05:30 ]

13番、バンカーから第2打を放つ松山

男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン第3日

(11月30日 高知県安芸郡芸西村 Kochi黒潮カントリークラブ(7316ヤード、パー72)
 松山が勝ってキングの称号を手にする。首位から出た賞金ランク1位の松山英樹(21=東北福祉大)は5バーディー、1ボギーの68をマークし、通算10アンダーで単独首位に浮上。左手首痛に悩まされながらも底力を発揮し王手をかけた。勝てば無条件でルーキー初の賞金王。怪物伝説に新たな一章が加わる。

 怪物が新たな歴史を刻むのに最高の舞台が整った。高校時代を過ごした高知で迎える今大会。勝てばルーキー初の賞金王となるシナリオ。松山は当然のように王手をかけた。「賞金王より優勝したい気持ちの方が強い。優勝すれば(賞金王に)決まる。それを目指して頑張るだけ」。もはや敵は自分だけとなった。

 スタートで波に乗った。松山は1番で3メートルを沈めてバーディーを先行させると、2番パー3では6Iでの第2打をピン左2メートルにつけて連続バーディーを奪った。「前日まで入らなかったパットが1、2番で入ってくれて、気持ちが凄く楽になった」と頬を緩めた。手負いの松山を2つの貯金が後押しした。

 決して万全ではない。不安を抱える左手親指付け根について本人は「違和感はあるけど、痛みはない」と報道陣に弱音を吐くことはない。だが、この日、会場に駆けつけた明徳義塾高ゴルフ部元監督の高橋章夫さんには正直に「左手首が痛い」と打ち明けていた。松山が高校時代の恩師の土佐市内の自宅を訪ねたのは大会前。プロゴルファーでなく一人の生徒に戻ってリラックスして語り合った。素顔を見せた松山に高橋さんは「頑張れよ」と声をかけた。愛媛からゴルフ留学し自分を育ててくれた高知、そして元監督に会って松山は決意を新たにした。

 6番でボギーを叩くと8番パー3でピンチが訪れた。右のバンカーへ打ち込むとグリーンは2メートルほど上の位置。目の前にはバンカーの壁がそびえ立っていた。打つ位置からグリーンが見えない状況も「脱出すれば寄るかなというピン位置」と冷静に状況を分析し80センチにつけてパーセーブ。これで立ち直った。ラウンド中、左手首には鎮痛作用のある外用薬「キンカン」を塗る場面が見られた。最終18番パー5はティーショットのフィニッシュで左手を離し痛みが走ったのは明らか。それでもグリーン手前ラフからの第3打をピン奥9メートルにつけ、2パットのパーでしのぎ首位を守った。

 2位に2打差で迎える最終日。勝てば史上初のルーキー賞金王に輝くだけではなく、81年の倉本昌弘に並ぶ新人最多の年間4勝目、尾崎将司(94、96年)、伊沢利光(01年)に次ぐ史上3人目の年間2億円突破と記録ずくめだ。勝って賞金王を決めるドラマチックな戴冠なら99年の日本ゴルフツアー機構発足後は00年の片山晋呉、昨年の藤田寛之に次ぎ3人目。今季3勝のうち2勝は首位で最終日を迎えて逃げ切った。「自分が誰よりも有利」という言葉に迷いはない。1日、松山が新たな金字塔を打ち立てる。

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