松山　首位浮上！左手親指違和感なんの　賞金王へ「勝ちたい」

[ 2013年11月30日 05:30 ]

男子ゴルフツアー　カシオ・ワールドオープン第２日

（11月29日高知県安芸郡芸西村　Ｋｏｃｈｉ黒潮カントリークラブ＝７３１６ヤード、パー７２）
　賞金ランク首位の松山英樹（２１＝東北福祉大）が６６をマークし、通算６アンダーで１５位から首位に浮上した。左手親指付け根付近に違和感を抱えながらのラウンドでフィニッシュで左手を離す場面も見られたが、ボギーなしの６バーディーで回った。賞金ランク２位の金亨成（３３＝韓国）に４２９０万円差を付けており、勝てば無条件で史上初のルーキー賞金王が決まる。同じく６６で回った賞金ランク４位の小田孔明（３５＝フリー）も首位に並んだ。
【第２Ｒ成績】

　松山が猛チャージを見せた。４バーディーを奪って首位の小田に２打差で迎えた終盤。１７番パー４で第２打を１・５メートルに付けてバーディーを奪って１打差に詰め寄る。最終１８番パー５では２オンを狙ったショットを右ラフに外したが、そこからきっちり寄せて連続バーディーフィニッシュで小田を捉えた。

　パープレーの前日から６つもスコアを縮め、５度目の出場で初のボギーなしのラウンド。それでも「何かを変えたわけでも、修正したわけでもない」と言う。それどころか左手に不安を抱えながらのプレーだった。前半はショット後に左手を離し、左手親指付け根付近を触ることが多かった。９番パー４では第１打を打つとすぐ左手を離し、第２打直前には右手だけで素振りし、打った後はすぐに左手を離した。ほとんど右手だけで振ってピン横２メートルに付けて初バーディー。これで波に乗ると１２番の第２打はぎごちないフィニッシュながら１メートルにピタリ。この日のベスト６６を叩き出した。

　「（左手親指付け根に）違和感はありましたけど、痛みはない」と説明したが、先週のダンロップ・フェニックスの時から異変を感じていた。今大会の初日も気にする場面があり、氷のうを手にして会場を後にした。

　１０月には胃炎に悩まされた。今月初旬の米ツアーＨＳＢＣチャンピオンズを背中痛で棄権した。先週は顔の腫れが再発。日米両ツアーを戦う過酷な日程、賞金王の重圧などストレスと疲労で体は悲鳴を上げている。それでも首位に立つのが怪物の怪物たるゆえんだ。

　勝てば今季４勝目で史上３人（４度）目の年間２億円突破、史上初のルーキー賞金王も決まる。それでも松山は「優勝はしばらくしていないので、勝ちたい気持ちが強い。その意識がありすぎても良くないので、２日目のようにゆっくりゴルフをしたい」と悠然としている。

　【松山の主なアクシデント】

　☆疲労性胃炎　１０月１７日、シュライナーズホスピタル・オープンの初日スタート前に出場を取りやめる。疲労性の胃炎とみられ、緊急帰国した。

　☆背中痛　１１月１日、ＨＳＢＣチャンピオンズ第２日のスタート前に背中痛で棄権した。前週のＣＩＭＢクラシックで痛めたもので強行出場した初日に２８位発進したが、悪化させて無念のリタイア。

　☆顔の腫れ　９月に虫に刺されたことが原因で右顎付近が腫れ上がったが、今月のダンロップ・フェニックスで再発。病院で膿（うみ）を出し、ばんそうこうを張ってプレーした。

　≪３人目の２億超えなるか≫松山が勝てば今季獲得賞金が２億１０７万６７８１円となる。これまでの年間獲得賞金２億円超えは尾崎将司（９４、９６年）、伊沢利光（０１年）の２人（３度）。最速年間２億円突破は９６年尾崎将の１７試合目。松山が今大会で勝てば、尾崎将を上回る１６試合目での突破になる。ルーキーイヤーでの年間最多勝は８１年倉本昌弘の４勝。松山が勝てば、これに並ぶ。

　▽松山と小田の賞金王の条件　獲得賞金１億６１０７万６７８１円の松山は今大会で優勝すれば賞金４０００万円を獲得し、賞金王が確定する。また順位にかかわらず、賞金ランク２位以下に４０００万円以上の差をつければ最終戦日本シリーズ（優勝賞金４０００万円）を残して賞金王が決まる。獲得賞金９４４５万３１３円で同４位の小田は今大会と最終戦の２連勝が逆転賞金王の最低条件となる。